【中小企業の組織論】間接部門の効率化の必要性とは
1 間接部門は「見えにくい」
大企業と比較した中小企業の特性として、「ヒト、モノ、カネ」いずれも限りがあるということです。
その中でも人的資源は、一人一人がしっかりと役割を認識し、個々の責任をしっかりと果たすことが重要です。
部門別では、営業や製造といった部門は、一人一人の日々の活動が比較的見えやすく、責任に対する進捗度も比較的経営陣が把握しやすい傾向があります。
ところが、間接部門は必ずしもそうとは言えません。
北出がお客様の会社を見させてもらう中で、「この会社、間接部門が弱いなあ」と感じることが少なからずあります。
経理や総務といった間接部門は、「その業務はAさんの担当です」となっていて、いってみれば、「ブラックボックス化」しやすくなります。
「その業務はAさんの担当です」は結構危険です。
Aさんは、その業務を独占し、周囲を容易に寄せつけません。
いつしか、Aさんは「お局化」し、総務や経理のドンとして君臨することになります。
経営陣も、Aさんに気を遣ったりして、Aさんはドンとして益々幅を効かせることとなります。
往々にして、AさんとBさんの仕事が重複していて、無駄が生じることとなります。
このように、間接部門は「見えにくい」のです。
2 間接部門の業務を見直す
一見、見えにくい間接部門をどのように改革すべきでしょうか。
間接部門の改革の第一歩が、「個々の業務の洗い出し」です。
個々の業務を洗いざらい棚卸しをしてみると、きっと重複している業務が発見されるはずです。
重複している業務を一本化することで、残業を削減することが可能になります。
特に、経理や人事総務は会社の中枢なので、間接部門が緩いと会社が傾きます。
経理周りが弱いと、試算表の作成が遅れます。
試算表は会社の月次通信簿で、会社の経営判断への重要なツールです。
間接部門の中で定期的な人事ローテーションを実施すると、会社が活性化します。
中小企業経営者の皆さん、「間接部門だから」と軽く流すのではなく、間接部門の効率化を推進してみましょう。