【中小企業経営者の心得】中小企業経営の船頭は一人で十分な理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、中小企業の船頭は一人で十分な理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 指揮命令系統を単純化する
2 トップダウンで経営のスピードを上げる
どうぞ、ご一読下さい。
1 指揮命令系統を単純化する
アフターコロナの世の中となり、コロナ前には想定できなかったような外部要因に中小企業が直面しています。
円安に端を発した原材料高、深刻な人手不足、コロナ資金の返済負担などなど、中小企業経営者にとっては、舵取りが難しい世の中になってしまいました。
このような状況下では、中小企業に必要なガバナンスが、指揮命令系統を単純化することです。
社長がこう言っている、副社長の意見は少し違っている、常務は社長寄り、3人の部長は社長と副社長の指示の違いから部内をまとめ切れていない、と言った類の指揮命令系統の混乱が発生しがちです。
中小企業で、かつ、社長とその一族が発行済み株式の大半を握っているような場合は、指揮命令系統が複数存在するようなことは、なじみません。
社長は代表取締役である一方、筆頭株主であるのが普通なので、会社と社長は一心同体です。
ましてや、社長は会社の金融機関借入金の連帯保証債務を負っているので、会社が転ければ、社長個人もモロともです。
中小企業のオーナー社長は、大企業の雇われ社長とは違って、背負っているものがあまりにも大きいのです。
このため、社長が「やる!」と経営判断したことは、会社の隅々まで行き渡らせる必要があります。
コンプライアンスの遵守が当たり前の世の中なので、末端のパートやアルバイトには、会社の方針は関係ないというわけにはいかないのです。
このようなことから、中小オーナー企業の場合、ピラミッド型の組織体ではなく、オーナー社長がトップの鍋ぶたの突起の役割を果たすようなフラットな鍋ぶた型組織の方が、中小オーナー企業には親和性が高いのです。
2 トップダウンで経営のスピードを上げる
中小企業を巡る外部要因の脅威がより大きくなる中、中小オーナー企業の強みは、オーナー経営者による早い経営判断です。
もちろん、関係部署が集まって会議をして、問題点を洗い出して課題解決の方法を導き出して、会社全体にそれらを浸透させるプロセスは重要です。
しかしながら、会議ばかり時間を割いてしまって、課題が野ざらしになってしまっては元も子もありません。
特に、経営改善局面の中小企業であれば、トップが決断して、その経営判断を速攻で実行に移して、効果測定を実施することがより重要です。
副社長や常務や部長らが協議をしても、最適解が求められる保証は何もありません。
船頭多くして船山に登る、ようなことがあっては絶対にいけません。
中小企業に船頭は一人で十分です。
副社長、常務や部長ら役員・管理職は、経営トップが下した経営判断に基づいて、その施策を粛々とスピード感を持って実行に移していくことが求められます。
中小企業経営者は、自らの経営判断によっては、会社と従業員の命運と、自らのオーナー一族の運命がかかっていることを改めて認識して、スピードを加速して経営判断を下していくことが必要なのです。