【中小企業経営者の心得】部下から報告を受けない経営者が抱える問題点とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、部下から報告を受けない経営者が抱える問題点について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 中小企業といえども組織である
2 報告を受けない最大の理由は重要性が伝わっていないからである
どうぞ、ご一読下さい。
1 中小企業といえども組織である
大企業との比較で、中小企業・小規模事業者の強みの一つが、「アットホームである」ことです。
中でも、小規模事業者の場合は、
社員:「社長、スミマセン、明日、子供の学校行事なので1日お休みをもらってもいいですか?」
社長:「おお、ええよ。子供のために一日、休み、取っとけ」
極端な話、休暇届が無かったりして、それが労務管理上、いい悪いは別にして、アットホームで、経営者と従業員の信頼関係が成立している証でもあります。
もちろん、労働争議が珍しくないこのご時世で、暗黙の了解だけでは、会社の労務管理上、好ましいとはいえませんが、弊所のお客様の会社でも、小規模事業者の場合、そのような傾向が見て取れるケースが見受けられます。
それに、会社である限り、意思決定をする経営層がいて、管理職が業務執行を管理して、非管理職が業務指示に従って忠実に仕事をこなすことが大前提です。
組織であることには間違いがなく、そもそも仕事なのですから、「なあなあ」は程々にしておかねばなりません。
繰り返しですが、中小企業・小規模事業者といえども、組織であることを誰もがしっかりと認識しておく必要があります。
2 報告を受けない最大の理由は重要性が伝わっていないからである
中小企業・小規模事業者ならではのアットホームさは良いのですが、時折、(こりゃ、困ったなあ)と感じてしまうことがあります。
それは、
北出:「社長、先月の打ち合わせの時の検討事項であった〇〇の件、検討された結果はどうでしたか?」
社長:「そういえば、まだ報告、受けてへんなあ。早急に確認しておくわ」
という類のケースです。
例えば、その検討事項が、経営改善計画のアクションプランに記載する経営改善事項であれば、「まだ報告、受けてへんなあ」ですと、経営改善計画の策定が進みません。
また、メインバンクからの検討事項であれば、なおのこと、メインバンクが切ってきた期限よりも早く回答することが必要です。
社長から指示を受けた社員が、その検討事項について報告を上げないのはなぜでしょうか?
その社員は、もちろん、ルーティンワークを含めて、他にも多くのタスクを同時進行させているはずです。
その検討事項について、社員が放置して社長に報告しないのは、ひとえに、他のタスクに比べて優先順位が低いと社員が考えていることから、このような事態になってしまうのです。
北出に言わせると、社長からの業務指示であれば、「最優先にするはずやろ」と思ってしまいますが、どうも、そういうわけにはいかないようです。
業務指示を伝える側の社長にも落ち度がないとはいえません。
その検討事項についての重要性と優先順位が高いこと、報告期限を社員に伝えられていない公算が大きいのです。
もちろん、パワハラがすぐに問題となる時代ですから、「俺が社長なんやから、はよ、せえや!」と高圧的に業務指示を伝えることは頂けません。
しかしながら、会社は組織であること、上司からの業務指示を部下が遵守することは会社として当たり前の話で、この組織としての規律が乱れてしまうと、会社の存続にも支障が出かねません。
このように、親しき中にも礼儀ありとはよくいったもので、中小企業経営者は、パワハラと糾弾されることのない程度で、会社の規律を正していくことに尽力する必要があるのです。