【中小企業の銀行対策】リスケジュールからリファイナンスへの道筋をつけることの重要さとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、リスケジュールからリファイナンスへの道筋を付けていくことの重要さについて考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 もはやコロナは過去の遺物である
2 世の中が動いている今こそリファイナンスへの道筋をつける
どうぞ、ご一読下さい。
1 もはやコロナは過去の遺物である
2024年4月も中旬です。
今からちょうど4年前の今頃、未知の脅威であった新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、多くの中小企業が事業継続が難しい状況に置かれました。
その頃、北出の携帯電話が土日であっても、お客様の中小企業経営者からの着信が止まず、内心、「ホンマにみんな、どんなになってしまうんやろ?」と本当に暗澹たる想いに包まれたことを昨日のように鮮明に記憶しています。
メインバンクと政府系金融機関にご協力いただいてコロナ資金を調達しても、営業が事実上できず、複数の店舗を維持していると、数ヶ月の間にキャッシュが枯渇しました。
不要不急の外注が自粛要請され、府県を跨いだ移動も相当難しくなりました。
弊所は大阪に事務所があるので、「大阪から来ていただくのはちょっと控えてもらえないでしょうか」とお願いされた時には、「しょうがない」わけなのですが、「そこまで言われなくても・・・」と悲しい気持ちになりました。
お客様によっては、「法的措置も考えなければいけないかもしれませんね」と社長、会長を交えて、深刻な打ち合わせも余儀なくされたこともありました。
少なからぬお客様中小企業において、コロナ資金の調達が限界となって、中小企業活性化協議会に関与して頂いて、コロナ特例リスケと収益力改善計画で、事業をなんとか継続させることができました。
他方、今に至っても、Zoomによるオンライン打ち合わせが日常的なものとなり、北出の場合、画面共有機能を使えば、打ち合わせ内容に沿って資金繰り表を編集する時も、画面越しにお客様の経営者に見てもらえるので、Zoomは本当に重宝しています。
それはさておき、あれから4年。
大阪にはインバウンドが押し寄せ、コロナ前を凌駕するような賑わいが戻り、社会が平常モードに戻ってきたことを実感させられます。
幸いにも、弊所のお客様中小企業も息を吹き返し、売上高はコロナ前を上回る過去最高売上を計上することも珍しくなくなりました。
もはや、コロナは過去の遺物なのです。
2 世の中が動いている今こそリファイナンスへの道筋をつける
コロナ禍で打撃を受けてリスケジュールに踏み切った中小企業にとっては、売上高は立ってきている一方、原価高と人件費高騰によって、資金繰り余力が本格的に回復していないケースもあります。
他方で、競合関係にあったコンペティターがコロナ禍で退場を余儀なくされ、謂わば「残存者利益」を享受できているケースもなきにしもあらずです。
売上が回復し、まさに焼け野が原にポツンとその会社が残ったことで、これまで競合先に取られていた案件を受注できるようになった会社も存在します。
このような会社では、売上も収益も回復し、同時にキャッシュリッチにもなっていることから、着実に返済を再開して、返済額を増額していく目処が立ちつつあります。
そして、今すぐではないにせよ、リファイナンス(返済期間10年で借り換えること)が徐々に視野に入ってくるようになります。
リファイナンス実現によって、リスケジュールから脱却して、金融機関に対して、「普通の会社」になることは、絵のような再生劇とも言えます。
そこには、経営者の知られざる苦悩と経営努力が透けて見えます。
中小企業経営者は、コロナは過去の遺物であることを再認識して、間違っても「コロナの影響で」と業況停滞の言い訳にしてはなりません。
次世代に残せる中小企業にするためにも、リスケジュール中の中小企業経営者は、リファイナンスへの道筋を確かなものにしていく必要があるのです。