【中小企業の銀行対策】過大な設備投資が会社の持続可能性を脅かすリスクとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、過大な設備投資が会社の持続可能性を脅かすリスクについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 生産性アップと省力化のための設備投資は必須である
2 設備投資の失敗は会社に大きな傷を残す
どうぞ、ご一読下さい。
1 生産性アップと省力化のための設備投資は必須である
過度に進み過ぎた外国為替市場でのドル高円安でしたが、通貨当局の牽制があり、先週末以降、驚くばかりの円高が進行しました。
自社製品を輸出できない一方、原材料を輸入に依存する中小企業にとっては、原材料高が一服することを期待せずにはいられません。
とはいえ、人手不足は依然として深刻なままで、製造業や建設業に加えてサービス業に於いては、現場を支える人材が足りていません。
このような状況を打開するため、生産性向上と省力化を目的とした設備投資は、中小企業であっても必要不可欠です。
中小企業経営者が、設備投資に踏み切るか否かを経営判断するには、一義的には、「費用対効果」が最も重要な判断材料であると言えます。
ましてや、設備投資を自己資金で賄ったり、補助金、助成金で設備資金を賄うのであればともかく、設備資金の多くを金融機関からの借入金を調達して賄うとなると、どうしても経営判断としてはシビアになってしまいますし、シビアでなければなりません。
とはいえ、同業他社とのコスト競争に勝ち抜くことや、人材確保が難しいことを勘案すると、前向きな設備投資は収益改善と持続可能性向上には欠かせないものであることは言うまでもありません。
また、金融機関から設備資金を調達する際には、金融機関から、審査の判断材料として様々なヒアリングを受けることになりますので、金融機関の審査が一つの重要なチェック機能を果たすと言うこともできるかもしれません。
いずれにしても、設備投資は経営者としてシビアな経営判断を下さなければならないことは言うまでもないことなのです。

2 設備投資の失敗は会社に大きな傷を残す
重要さを増している設備投資ですが、設備投資効果が見込める一方、設備投資自体が大きなリスクを抱えていることも紛れもない事実です。
そもそも、設備投資による金融機関から設備資金の返済原資は減価償却費です。
しかし、その前提となるのが、当初の見込み並みもしくはそれを上回るような設備投資効果を創出することができて初めて、設備資金の返済が支障なくできていくことになります。
単純に言ってしまえば、貸方の借入金に対して、借方には借入金に対応する固定資産が計上されていることがBS上のあるべき姿です。
とはいえ、設備投資効果が十分創出できないばかりか、ほとんど稼働しなかったり、除却を余儀なくされてしまうと、借方の固定資産は事実上不良資産化してしまい、貸方の借入金だけが残ってしまいかねません。
そうなってしまうと、少なくない設備資金の借入金の返済原資は失われ、リスケジュールに追い込まれたり、最悪、会社の持続可能性が失われてしまうことさえ起こりうるのです。
あまりネガティブなお話ばかりすると、設備投資に意欲的な中小企業経営者の出鼻を挫くことにもなりかねないので、ネガティブなお話はここまでにしますが、いずれにしても、やらねばならない設備投資です。
中小企業経営者は、その設備投資にかかる費用対効果は徹底的に吟味をし、「絶対失敗しない」と言う不退転の決意で設備投資にかかる重たい経営判断を下す必要があるのです。

