【中小企業の銀行対策】業態を問わず規模の大きな金融機関と取引するメリットとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、業態を問わず規模の大きな金融機関と取引するメリットについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 金融機関の預金量と融資量は取引先数に比例する
2 規模の大きな金融機関ほど引き出しが多い
どうぞ、ご一読下さい。
1 金融機関の預金量と融資量は取引先数に比例する
銀行等金融機関は、毎年3月決算期と9月中間期にディスクロージャー誌を作成し、店頭の待合スペースに置いて誰でも閲覧できるようにしたり、ディスクロージャー誌を公式ホームページで公開しています。
ディスクロージャー誌では、金融機関のBS、PLだけではなく、不良債権の状況や自己資本比率、有価証券の運用状況などが開示されていて、金融機関の健全性を誰でも読み解くことができるようになっています。
金融機関の規模を示すわかりやすい指標として、預金量と融資量が挙げられます。
中小企業にとって取引しやすい地方銀行に限ってみても、最大手の横浜銀行の預金量は18兆56百億円に達するのに対して、地銀下位行では預金量が1兆円に満たないような地銀も存在していて、預金量最下位の地方銀行の富山銀行は預金量は50百億円超しかありません。
地方銀行の規模は、地方に於いては、本店を置く都道府県の経済状況をある程度反映していると言っても過言ではありません。
預金量と融資量は、ザクっといってしまうと、取引先数に比例すると言えます。
一口に地方銀行と言っても、経営規模に大きな差があるのです。
このような傾向は信用金庫にも当てはまっていて、弊所が主な活動拠点となっている関西でも、京都中央信用金庫(通称「チュウシン」)、京都信用金庫(通称「キョウシン」)、大阪信用金庫(通称「ダイシン」)、大阪シティ信用金庫などは、預金量が2兆円から3兆円台で、地銀中位行並みの資金量を有していて、信金の中では大きな部類に入ります。
他方、大阪地場の永和信用金庫の資金量は60百億円強で、関西大阪、京都というエリアの中だけでも、信用金庫の規模には少なからぬ差が存在するのです。

2 規模の大きな金融機関ほど引き出しが多い
このように、同じ業態の金融機関であっても、規模の大小には相当差があることがわかります。
では、中小企業経営者の側からして、金融機関の業態を問わず、規模の大きな金融機関か、小規模な金融機関か、どちらと取引するべきでしょうか。
上記で書かせて頂きましたが、ザクっと言ってしまうと、資金量と融資量は、取引先数に比例します。
最近の金融機関では、もちろん、金融機関のビジネスモデルの根幹である預金を集め融資をすることだけではなく、役務収益を得られるようなサービスを展開するようになっています。
役務収益を得られるようなサービスとしては、M&Aの買収先や売却先を融資先に提案したり、得意先や仕入先を紹介するビジネスマッチングが挙げられます。
M&Aでも、ビジネスマッチングも取引先数が多ければ多いほど、金融機関からの提案はより精度が高く、案件も数自体も多くなります。
M&Aについては、買うだけではなく、収益も出ていて、財務内容も健全であるものの、事業承継者がいないような中小企業にとっては、売却先の選定は極めて重要なお話です。
然るべき事業承継者が見つからなければ、財務内容が健全であるにも関わらず、泣く泣く自主廃業に追い込まれるような事態になりかねません。
加えて、経営改善を図る際にも、規模の大きな金融機関の方が事業再生のノウハウをより多く保有しています。
規模の小さな金融機関では、北出の肌感覚ですが、リスケジュールして元本返済を止めてくれるのは良いのですが、そこから収益改善につながるような積極的な提案が乏しいのです。
取引先数の多い金融機関ほど、より多くの情報を持っています。
金融機関が持っている情報をうまく活用するためにも、中小企業経営者は、業態を問わず、規模の大きな金融機関との取引を深耕して、信頼関係を築き上げることが必要です。
また、自社が抱える経営課題に積極的にコミットしてくれる金融機関を選択することが中小企業経営者の責務なのです。

