【中小企業経営者の心得】万事、記録に残す会社組織を作る
1 「コンプライアンス」てなんだっけ?
「コンプライアンス」と言う言葉が世の中を席巻しています。
「コンプライアンス」とは、単に法令を遵守するだけではなく、商いにモラルを求められます。
法律スレスレ、グレーゾーンの詐欺まがいの商いは、一旦馬力はいけるかも知れないけれど、長続きはしません。
そもそも、商いは長く続くべきもので、陸上競技に例えるならば、詐欺まがいは100メートル走で、真っ当な商売はマラソンです。
マラソンは長丁場なので、必ずしも百戦百勝というわけにはいきませんし、山あり谷あり、という大変な道のりですが、それが真っ当な商いというものです。
そんな商いですが、会計の透明さ、労務リスクの低減、取引先との契約内容の適正さ、などなど、大企業だけではなく、中小企業でさえ、今や「コンプライアンスの洪水」の真っ只中です。
2 記録に残す企業文化を醸成する
大企業と中小企業との大きな差の一つが、記録を残すことへの運用度合いです。
中小企業、というよりは、小規模事業者でオーナー経営の場合、例えばですが、休暇届がなかったりします。
従業員:「社長、すんませんが、来週月曜日、息子の授業参観なので、休ませてもろてええですか?」
社長:「おお、ええよ。たまには、家族サービスでもしたれよ」
なんていう具合にそれはそれは昭和型のおおらかさが令和の今でも生き残っていたりします。
しかしながら、労働者の権利が主張される昨今、経営者が想定もしていなかったところから、労働争議が起こったりします。
そこでは、「言った、言わない」の水掛け論が蔓延して、経営者の足があっという間にすくわれたりします。
他方中小企業レベルでも、少しまでまで流行っていたISOやHACCPといった国際認証が取得されると、何につけても記録に残すことが末端の従業員にまで求められるようになります。
最初は、「めんどくさいなあ・・・」なのですが、定期的な内部監査の運用によって、記録に残す文化が根付くようになります。
そして、万が一、不適合の状況が生じた場合、記録を辿ることによって、不適合の影響を最小限度にとどめることが可能となります。
「面倒くさいなあ・・・」でも、記録に残すことこそが、会社を、そして従業員を守ることにも繋がります。
経営者は、従業員以上に、記録に残すことを徹底しなければいけません。
特に、金融機関とのやりとりは、金融機関側が記録に残しているため、中小企業側が不利にならないよう、経営者サイドとして記録に残すことが大切です。
経営者という立場上、山あり谷ありの中にあっても、「商いを大きくしたい」という願望を常に持っているはずです。
「商いを大きくする」、「会社を大きくする」のに当たって、万事記録に残す組織体質を構築するのはマストです。
中小企業経営者は、万事、記録に残す企業文化を醸成することが必要なのです。