【中小企業の銀行対策】中小企業経営者が担当して欲しいと思えてしまう優秀な銀行員の条件とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、中小企業経営者にとって、自社を担当して欲しいと思えてしまう優秀な銀行員の条件について考えてみます。
今日の論点は以下の2点。
1 専門用語を多用する銀行員を相手にしてはいけない
2 難解なことを平易に話のできる銀行員は最強に優秀である
どうぞ、ご一読下さい。
1 専門用語を多用する銀行員を相手にしてはいけない
もはや、「銀行は学生の就職希望上位ランキング」には登場しない、と時折言われます。
わたくし北出は、平成5年卒業のいわゆるバブル組最終組ですが、当時に比べると金融機関の就職人気は決して高いとはいえない状況ですが、そうは言っても、まだまだ、一定程度の新卒の学生が金融機関を目指すことに変わりはありません。
なので、新卒が金融機関に入社(入行)して、営業店に配属された後、中小企業向けの融資業務に携わるわけですが、その中には優秀な人たちも相当程度含まれます。
ところが、有名大学を出て優秀な成績を収めてきた若手銀行員が、皆、中小企業融資に向いているかといえば、必ずしてもそうとはいえません。
とかく、金融機関の中小企業向け融資業務は、常に債権債務の問題が立ちはだかります。
このため、銀行員は、専門用語を多用しがちです。
銀行員にとってはそれが彼らの常識ですが、一般的な常識の範疇からは少しずれていたりします。
若手銀行員は、年長の中小企業経営者に敬意を表しつつ丁寧な言葉遣いに努めます。
「お通帳を拝見させていただけませんか?」などと口にする若手銀行員を見ていると、「そこまでへりくだらんでもええやろ!」と逆に心配になる位です。
通知に「お」は要らんやろ!とついつい突っ込みたくなります。
それにも関わらず、ついつい、専門用語が出てしまいます。
専門用語を多用する銀行員と、ガチに相手にしてはいけません。
中小企業経営者の目線で仕事をしてくれる銀行員は、通帳には「お」をつけない一方で、専門用語を多用しないことだと日々感じているところです。
2 難解なことを平易に話のできる銀行員は最強に優秀である
専門用語を多用する人種は、銀行員と並んで、士業やコンサルといった専門家の人たちも同様です。
難しいことをさらに難解に説明する銀行員や専門家は失格です。
その昔、今から7年ほど前まで、某キー局の夜の報道番組で、自称経営コンサルタントが経歴詐称がバレて表舞台から姿を消したことがありましたが、その自称コンサルタントこそ、難しいことをさらに難解にしゃべってみせる人で、案の定、経歴も詐称でした。
専門家を多用するのがダメな理由は、ひとえに、「共感が産まれない」ことに尽きます。
聞いている側は、「こいつ、また自己満足みたいな話ばっかりや」と白けるばかりです。
他方、専門用語を平易に表現できる銀行員や専門家は、聞いている側にとってみれば、「なるほど、そういうことか」と聞いている側の目線に合致し、自分事として捉えることができます。
共感を呼べる銀行員や専門家は皆、優秀です。
経営者保証ガイドラインで、事業承継を見据えて連帯保証債務を外しましょう、という話になっても、専門用語でしか表現できない銀行員は、鼻から「保証債務を外すんですか?」と取り付く島もない塩対応をとってしまいます。
銀行員や専門家に限らず、共感を呼べる人間が優秀なのはどの業界でも共通項で、所謂トップセールスマンと呼ばれる営業マンは皆、共感を呼ぶのを得意技にしていることはほぼ間違いありません。
残念ながら、中小企業経営者側から、メインバンクを始めとした取引金融機関担当者を主体的に指名することはできません。
しかしながら、必ずやってくる担当者の人事異動や係り替えのタイミングで、新しい担当者が、専門用語しか使えないボンクラなのか、難解なことを平易に話せる優秀な奴かを見極める必要があるのです。