【中小企業の銀行対策】中小企業こそ金融機関以上のI Tリテラシーを高めなければ理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、中小企業こそ金融機関以上のITリテラシーを備えなければならない理由について考えます。

今日の論点は下記の2点。

1 実のところ金融機関役職員のITリテラシーが高いとは言えない
2 小資本の中小企業だからこそITを使い倒す

どうぞご一読下さい。

1 実のところ金融機関役職員のITリテラシーが高いとは言えない

中小企業経営者から見て、金融機関の役職員のITリテラシーはどのように感じているでしょうか?

金融機関にとって、最も大切な基幹システムが「勘定系」です。
勘定系システムとは、毎日の銀行取引を借方と貸方に仕訳する(簿記の塊)システムで、毎日、金融機関営業店では、借方と貸方を合致させるのがルーティンワークです。
「勘定系」に対して、同列で基幹システムをなすのが「情報系」です。
情報系システムは、顧客情報を管理するシステムで、例えば、銀行取引を世帯で名寄せをして、世帯毎に、給与は振り込まれているか、定期預金はいくら、投資信託はいくら、住宅ローンはいくらで、今後、家計のメイン化を図っていくために、次はこの商品を進めていこう、という具合に、リテール部門で重要な役割を果たします。

こういう風に書いてしまうと、金融機関役職員は皆、さぞかしITリテラシーが高いように思えてしまいます。
ところが、単純にそうとは言い切れないのが北出の経験則です。

金融機関はシステム運用において、セキュリティーを最重要視します。
なんなら、金融機関の営業店のパソコンは、どれもオフラインにして、インターネットには接続したくないというのがシステム部門の本音です。
確かに、金融機関の基幹システムがハッキングされてしまうようなことがあってはエライことです。

なので、金融機関にもよりますが、中小企業の融資に携わっている営業店の融資係や渉外係であっても、携帯電話は金融機関から貸与されているけれど、外部メールのアドレスを持っていないケースも散見されます。
あるいは、外部メールのアドレスを持っていても名刺には記載されていないことも多く、こちらから「外部メールのアドレスをいただけませんか?」とお願いして、初めて名刺の裏にメールアドレスを書いて寄越してくれることもままあります。
また、外部メールが受信専用であったり、役席者以上しかメールアドレスを持っていなかったり、営業店の代表メールアドレスだけがあって担当者個人にはメールアドレスが設定されていないこともあります。
「Zoomで簡単な打ち合わせを」とお願いしても、「うちは非対応なんで」と素っ気ない答えが返ってくることもあります。
挙句の果てには、「ファックスで送ってください」などと言われた日には「ファックスですか!???」とこちらが半ギレになってしまいます。
ファックスの方がメールよりも誤送信が起こりやすく、よほどセキュリティ的に問題があるし、「紙で印刷なんてSDG's的にアウトやんか!」と感じてしまいますが、実態はこんなもんです。

金融機関の役職者のルーティンワークが金融機関独自のクローズドのシステムが使用されていて、エクセルやワードといった汎用ソフトの使用が推奨されていないケースもあるようです。

ただ、担当者個々人にPC、タブレット型PC、Wi-Fiルーターが配布され、外部メールもジャンジャン送れて、世間のビジネスマナー通りにメールを返信してくれる金融機関、その役職員の方もちゃんといて、金融機関によるITへの取組スタンスに大きな差があるというのが、北出の実感です。

2 小資本の中小企業だからこそITを使い倒す

中小企業にとって極めて重要な資金調達源である金融機関のITリテラシーの現状について、北出の経験則からお話をしました。

これに対して、中小企業は、ITとどのように向き合うべきでしょうか?
この問いは、もはや今更なんやねん!とのお叱りを受けそうですが、金融機関との比較に於いて、相対的に小資本である中小企業にとって、ITツールを使わない手はありません。
コロナ禍を脱したとはいえ、Zoomを使ったオンライン会議はすっかり定着しました。
もちろん、営業現場こそ、Face to Faceの大切さがコロナ禍で図らずしも痛感させられましたが、Face to Faceだけではなく、オンラインによるミーティングを加えることで、接触頻度を上げて、コミュニケーションをより積極的に取ることができるようになりました。
遠隔地でも、飛行機や新幹線に乗ることなく、商談することができます。
画面共有機能は、むしろ相手からの理解度をより上げる効果があります。

WordPressを使えば、安価で、ブログで会社について発信することができますし、ホームページを充実させることも可能です。
ITツールのほとんどは無料か、有料であっても、そのコストはたかだか知れています。
中小企業や小規模事業者で、一人でも良いので、IT担当者を任命して、会社全体のITを推進することが効果的です。

このように中小企業・小規模事業者にとっては、ITの親和性は相応に高いといえます。
中小企業だからこそ、無料か、有料であっても低コストのITツールを使い倒さない理由はありません。
金融機関のカチカチのITリテラシーを反面教師にして、中小企業経営者は、改めて自社のITリテラシーをより一層高めていく必要があるのです。

【中小企業の銀行対策】取引金融機関とできない約束を絶対してはいけない理由とは?も併せてご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA