【中小企業の銀行対策】前月の試算表を毎月20日に仕上げるべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、前月の試算表を毎月20日に仕上げるべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 取引金融機関に最新の試算表を提出する
2 前月の損益状況を経営者自身が早期に把握する

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 取引金融機関に最新の試算表を提出する

中小企業と一口で言っても、請求書、領収書や通帳の写し、当座勘定の履歴等を丸ごと会計事務所に投げて試算表を作ってもらっていたり、自社の経理担当者が会計ソフトで仕訳を入力して試算表を作成したり、様々です。

会計事務所に丸ごと投げるのもよし、自社で会計仕訳をするもよし、肝心なことは、最新の試算表ができていることです。
できれば、前月の試算表が毎月20日頃を目途に作成されるのがベストです。

取引金融機関に最新の試算表を提出することで、直近の損益状況を取引金融機関と共有すると、取引金融機関の担当者としても安心できます。

時折、お邪魔させて頂いた会社で、「直近の試算表はありますか?」とお尋ねしたところ、3ヶ月前の試算表が出てきたりすると、「この会社、ホンマに、大丈夫なんか?」と心配になります。

弊所では、お客様の中小企業に、月次モニタリング(業況報告)を取引金融機関に対して行なっていますので、基本的に、前月の試算表を毎月20日を目途として用意してもらうようにしています。
試算表が出来ると、資金繰り表を更新して、取引金融機関に試算表と資金繰り表を持参して、月次モニタリングを回していくと、取引金融機関と中小企業との距離感はグッと縮まります。

最新の試算表を用意しておくことが、中小企業の銀行対策上、極めて重要で、かつ、効果的です。

2 前月の損益状況を経営者自身が早期に把握する

先ほど、申し上げました通り、最新の試算表を取引金融機関に毎月アップデートしていくことが中小企業の銀行対策上、かなり有効です。

他方、中小企業の銀行対策もさることながら、最新の試算表をアップデートする最大の効果は、経営者自身が直近の損益状況を把握することです。
3ヶ月前の試算表では、適切な経営判断を下すことはできません。

今のこの世の中、動きが早いので、直近の損益状況を経営者自身が把握をして、単月で減益になったり、赤字に転落していれば、その原因を明確化して、黒字化するための具体的な対策を練って、それを実行に移していくことが喫緊の経営課題です。

前月の試算表は、謂わば会社の通知表の速報値です。

銀行対策も重要ですが、オーナー経営者であればこそ、直近の損益状況を試算表から把握をして、より儲かる会社にアップデートしていくことが、会社をサテスナブルにすることに直結するのです。

中小企業経営者は、哲学者ではなく、数字に貪欲になって、安定した収益体質に移行していくため、不断の経営努力が必要なのです。

 

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