【中小企業の銀行対策】月末を債権回収特定日にして長期未収金を減らすべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、月末を債権回収特定日にして長期未収金を減らすべき理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 債権回収までが営業担当者の仕事である
2 実質不良債権は実態BSを傷める

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 債権回収までが営業担当者の仕事である

7月も明日月末を迎えます。
暑い中ですが、あっという間に日数が経過していきます。
中小企業経営者も従業員も漫然と過ごしていてはいけません。

月末といえば、営業担当者にとっては、「集金日」です。
以前、お客様の会社で、売上が横ばいなのに、なかなか資金繰りが改善しない状況が続いていたので、社長の奥さんに「売掛帳」を見せてもらったら、ビックリ仰天、長期未収金のオンパレードでした。
しかも、何年も経過している売掛債権が少なくありませんでした。
税理士さんも気を遣ってか、売掛金の勘定科目明細には「その他〇〇件、金額いくら」と記載されていたのですが、せっかく納品をして、売上計上していても、長期未収金を放置していては資金繰りが改善するはずがありません。

確かに、特に、中小企業の営業担当者は、「弱い立場」です。
お客様からの無茶ぶりな要望には応えなければいけません。
「今日の午前中に持ってきてくれる?」と携帯電話にお客様から連絡が入ると、断るわけにはいきません。
ついつい、回収条件を曖昧なままで、取引を始めてしまったりしがちです。
先方の支払日もよくわからないようなケースもなきにしもあらずです。

「なんとかご入金を」とお願いすると、無茶ぶりなお客様は、「そんな事ばっか言うんやったら、他社さんに乗り換えるからな!」と言い募るようなことさえ起こりえます。

とはいえ、だからと言って、債権回収がスムースに行かなければ、PL上は利益が出ているのに、売掛金や未収入金がたまるばかりで、会社の資金繰りは好転しません。
月末を債権回収特定日に設定して、全社を挙げて、集金等債権回収に力を入れるのも一考です。

中小企業経営者は、営業担当者に債権回収までが営業の仕事であることをしっかりと認識させる必要があります。

2 実質不良債権は実態BSを傷める

長期未収金を放置することは百害あって一利ありません。
納品から集金までに時間がかかってしまうと、お客様との交渉が難しくなります。
また、売掛金の相手先が倒産していないため、損金で貸倒損失計上もできません。

一番の問題は金融機関の視線が厳しくなることです。
死んだ売掛金は資産性がないと金融機関が判断するため、実態BSを痛めてしまいます。
そもそも、死んだ売掛金があること自体、「この会社はぬる過ぎる」と心証が限りなく悪くなります。
死んだ売掛金の金額が簿価上の資本の部の金額を上回ってしまうと、実質債務超過と見做されて、追加の資金調達が難しくなる可能性も出てきます。

実際、金融機関では、勘定科目明細の売掛金を注視しています。
同じ相手先で同じ金額の売掛金が複数年度に渡って計上されたままだと、実質不良債権と見られてしまいます。

明日は、月末。
中小企業経営者は、明日は朝イチで未収債権の状況を確認し、月末を口実にして、債権回収を強化する特定日にする必要がありそうです。


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