【中小企業の銀行対策】本業での増益の必要性がこれまでになく増している理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、本業での増益の必要性がこれまでになく増している理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 コストアップ分を上回る増益が必要な理由
2 成長企業とゾンビ企業との格差は開くばかりである

どうぞ、ご一読下さい。

1 コストアップ分を上回る増益が必要な理由

どの業種、業態の中小企業においても、コストアップのラッシュが続いています。
いうまでもありませんが、原材料の値上げ、人手不足に伴う外注費の増加、水道光熱費等各種販管費のコストアップは断続的に続いており、今後もコストアップはそう簡単には止まりそうにもありません。

また、中小企業といえども、若手の従業員の確保は喫緊の課題です。
特に、中途採用を行う場合、求職者は同業他社と賃金水準をシビアに比較しているので、同業他社よりも高い賃金水準を維持しないと、良質な人材も確保できません。

一方で、本業を研ぎ澄ますことでコストアップ分を上回る営業損益での増益を実現すると、次の昇給と賞与の原資を創出することができます。
昇給があり、賞与も出るとなれば、俄然、従業員のモチベーションが上がるので、本業が更に伸びることに直結します。

銀行取引においても、増益を実現するようになれば、経営者保証ガイドラインに基づく経営者保証の解除の実現性が高まってきたり、適用レートの引き下げにも繋がります。

このような一連の取り組みによって、中小企業であっても、プラスの循環を現実にすることが可能ですし、プラスの循環を経営者が実感できるようになると、経営者は更に知恵を絞り、同業他社を上回る増益を実現することができます。

このように、ヒト、モノ、カネ(プラス情報)に限界がある中小企業であっても、インフレ局面で成長路線を持続可能なものにすることができるのです。

【中小企業の銀行対策】本業での増益の必要性がこれまでになく増している理由とは?

2 成長企業とゾンビ企業との格差は開くばかりである

上記で申し上げた通り、経営者保証を解除しようと、収益アップに注力し、BSの健全化に注力している中小企業経営者は万事ポジティブです。

翻って、リスケジュール状態が長く、リファイナンスの道筋が見通せない中小企業経営者の脳みそは、どっちかというと、モグラ叩き的な発想です。
優先順位が明確でなく、目の前に現れる課題に対して、場当たり的に対応してしまいがちです。
経営改善計画書の中で、アクションプランは明確になっているはずなのに、アクションプランの実行は中途半端で、十分な成果が出ずにいます。

このように、過剰債務でリスケジュール状態を脱することができない中小企業は、もはやゾンビ企業化しています。
ゾンビ企業化した経営再建中の中小企業を、今度は、本格的な利上げが襲いかかります。
なんとか捻り出した営業利益も、今後も続くであろう短プラの引き上げによって、吹っ飛んでしまって、元本返済額の増額がままならなくなってしまいます。

プラスの循環で、経営者だけではなく、従業員のモチベーションが上がる成長企業と、リスケジュールから脱することができないゾンビ企業との格差はますます広がるばかりです。

中小企業経営者は、コスト高に加えて、金利の上昇が収益環境をより一層厳しくしていることを認識して、本業をより一層研ぎ澄ますことが必要なのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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