【中小企業の銀行対策】中小企業が協調融資を模索すべきケースとは?
今日は、中小企業の銀行対策として、協調融資を模索すべきケースについて考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 大型設備投資や経営改善の出口で協調融資を模索する
2 協調融資の最大の鍵はメインバンクの支援に尽きる
中小企業経営者の皆さん、どうぞ、ご一読下さい。
1 大型設備投資や経営改善の出口で協調融資を模索する
中小企業経営者の中には、協調融資と言われても、ピンと来ない方がいらっしゃるかもしれません。
中小企業活性化協議会案件を含めて、リスケジュール中など、経営改善局面では、経営改善計画の変更や、あるいは計画外のことを行う必要が出てきた場合、各債権者、各関係機関全ての同意が原則です。
一つの債権者、関係機関が不同意であったり、保留となれば、再度、中身を見直し、改めてバンクミーティングを開催して、全行同意を取り付けます。
例えば、リスケジュール中であるにも関わらず、事業継続にどうしても必要な設備投資に踏み切らざるを得なくなるようなケースでは、メインバンクがニューマネー(追加融資)を出す代わりにも、既往の融資とは別途、優先弁済とすることを他のサブ行以下に諮らなければなりません。
サブ行以下のどこかの金融機関が、優先弁済はのめないということになれば、追加融資は難しくなり、事業継続にも支障が出かねない状況に追い込まれることにもなりかねません。
このように、各債権者、関係機関の協調体制を維持することが、経営改善には必要不可欠なことです。
リスケジュール中でなく、返済が約定通りの場合でも、大口受注を獲得し、その受注に対応するための大型設備投資が必要になることも、中小企業では当然起こり得ます。
しかしながら、融資額が多額であったり、財務体質がやや脆弱であったりすると、メインバンク一行が全額融資に取り組むことが難しいケースが出てきます。
このようなケースでは、例えば、メインバンク7割、残り3割を商工組合中央金庫(通称「商工中金」)や日本政策金融公庫が協調して、融資に取り組むことを協調融資と言います。
協調融資は、中小企業向け融資でも行われいて、決して珍しいものではありません。
(うちは、財務が脆弱やから、こんな大きな投資に融資は出ないかもしれへんな)と中小企業経営者は嘆く必要はありません。
中小企業側が協調融資を取り組んで欲しいとメインバンクに働きかけるのも良いですが、地方銀行や信用金庫でも、政府系金融機関と連携して、協調融資に取り組むことがあるので、中小企業経営者が協調融資の意味合いを正しく理解しておくことが肝要です。

2 協調融資の最大の鍵はメインバンクの支援に尽きる
中小企業であっても、協調融資は、縁のないものでは決してないことを申し上げました。
中小企業の味方ともいうべき協調融資ですが、協調融資をうまく進めるために、絶対外せない条件が「メインバンクがきっちり旗を振ってくれること」です。
日本公庫や商工中金は、どちらかといえば、側面支援なので、どこまでいってもメインバンクが主導して、メインバンクが積極的に協調融資を政府系金融機関に働きかけてくれることが絶対に必要です。
小規模な金融機関の場合、協調融資の実績がなかったり、政府系金融機関とのパイプが細かったりすると、「うちは協調融資はなかなか難しくて。それより、既存の設備の修繕などで少額の設備投資に抑えておけば安心と違います? 少額設備投資ならうちでなんとかしますよ」なんてことになりかねません。
協調融資の場合、返済期間、金利の設定や、場合によっては担保設定などで協調融資に参加する金融機関相互の調整が必要となってくるので、メインバンクが主導的役割を果たすことがどうしても必要なのです。
金利の上昇局面を迎え、固定金利で対応してくれる可能性の高い政府系金融機関を活用しない手はありません。
中小企業経営者は、過大な設備投資には慎重でなければなりませんが、設備投資効果をしっかりと見極めて、設備投資効果をメインバンクにしっかりと伝達して、場合によっては政府系金融機関との協調融資も選択肢として考えておく必要があるのです。


