【中小企業の銀行対策】金融機関営業店の法人事業先担当部署集約化への対応策とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、金融機関営業店の法人事業先担当部署の集約化への対応策について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 店舗内店舗の次は法人事業先担当部署が集約される
2 物理的な距離を埋めて金融機関担当者とコミュニケーションを取る

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 店舗内店舗の次は法人事業先担当部署が集約される

経営統合に踏み切った金融機関では、営業店(支店等)の統合が一気に進んでいます。
3店舗が実質的に1店舗に集約されるような金融機関も珍しくなく、金融機関はどこも熾烈な競争に勝ち残るため、効率化をどんどん推進しています。

3店舗が実質的に1店舗に集約されるというのは、店舗内店舗という形での営業店統合で、3店舗が一つ屋根の下に同居する形式をとっていて、現に店舗の出入り口には、○×銀行A支店、B支店、C支店と表記されています。
ただ、3店舗にそれぞれ壁が立っているわけではなく、1店舗プラスアルファの人員で3店舗分の預金や融資の事務を行なっているのが店舗内店舗という形式です。
3店舗を同居させる形をとっている理由は、A支店に、B支店とC支店を統合して、新A支店にしてしまうと、B支店とC支店の取引先は、口座番号が変わってしまいます。
これでは、月末や25日の総合振込で、一時的にせよ大混乱に陥ってしまう可能性が高いため、形式上、3店舗が一箇所に同居していて、A支店もB支店も、C支店も、どの取引先も口座番号が変わらないようにしているというわけです。
誰が店舗内店舗方式を考えついたのか、知るよしもありませんが、よく考えられたものだと北出は勝手に感心してしまいます。

このような店舗内店舗も、どの金融機関もほぼ一巡した感があるのですが、店舗内店舗の次にやってきているのが、法人事業先の担当部署の集約化です。
店舗内店舗はどちらかと言えば、リテール(一般個人)向けへの配慮でとられた形式ですが、どの金融機関でも、リテール向けとは別に、法人事業先の担当部署を置いています。
主に、営業店での得意先課、営業課、渉外係と融資課、融資係という部署ですが、金融機関によっては、リテール向けの支店等とは別に、支社や法人営業部に法人事業先を集約しているケースもあります。

法人事業先の担当部署は、外回りの担当者が、融資先を訪問するケースが多く、来店型ではないため、ビルの一階の路面立地である必要はありません。
最近の金融機関の法人事業先担当部署は、雑居ビルの一角に拠点を置いていることも多くなっています。
必ずしも路面立地である必要のない法人事業先担当部署の集約化もどんどん進んでいます。

法人事業先担当部署の集約化によって、法人事業先担当者が、片道1時間以上かかる融資先を訪問するようなケースも散見されます。
このように、法人事業先担当部署は、リテール向け営業店よりも集約化が進んでおり、融資先中小企業側からすると、メインバンク等への物理的な距離は広がるばかりです。
中小企業経営者からすると、使い勝手が悪くなるという印象ばかりが先行しますが、メインバンク、サブ行の法人事業先担当部署の物理的距離の拡大への対応策を以下に考えてみることにします。

【中小企業の銀行対策】金融機関営業店の法人事業先担当部署集約化への対応策とは?

2 物理的な距離を埋めて金融機関担当者とコミュニケーションを取る

みずほ銀行のAI積極導入を始めとして、今後、金融機関では、システム化がドンドン進められる一方で、営業店や法人事業先担当部署を更に集約することは避けられそうにありません。

しかしながら、中小企業向け融資は、決算書等定量的要素だけで与信判断がなされるわけではなく、経営者の力量、融資先が持つ技術力やノウハウ、取引先の質など、定性的要素を評価しなければならないため、システマチックに白黒をつけられないという特徴があります。
このため、定性的要素を第一義的に評価する営業店や法人事業先担当部署の担当者との人的な信頼関係はこれからも重要なファクターであり続けます。

もちろん、中小企業経営者が担当者と必要以上に人的繋がりを持つことは必ずしも推奨されませんが、融資先を応援してくれるのは、まずは担当者なので、担当者を敵に回すようなことがあっては断じてなりません。

このため、仮に、営業店や法人事業先担当部署との物理的な距離が遠くなったとしても、あらゆる手段を尽くしてコミュニケーションを取ることが極めて重要です。
当たり前ですが、直接面談が叶わなくても、事前に試算表と資金繰り表をメール添付で送信しておいて、Zoomで業況報告することは難しくありません。
さすがに、決算報告は面談で行うべきだと考えますが、いずれにしても、携帯電話、メール、Zoom等々を駆使して、中小企業経営者が主体的に、金融機関担当者に対して、適宜業況報告を行うべきです。
金融機関担当者も個別の融資先の特徴や強みを把握することによって、ビジネスマッチングで新たな取引先を紹介したり、M&Aの提案も出てくるかもしれません。

中小企業経営者は、取引金融機関担当者との直接面談に必ずしもこだわることなく、あらゆる手段を尽くして、自社の状況を業況報告として、取引金融機関担当者に適切に伝えることへの努力を怠ってはならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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