【中小企業の銀行対策】減益・赤字の理由を明確にしておかなければならない理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、減益・赤字の理由を明確にしておかなければならない理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点。
1 減益・赤字を嘆く必要はない
2 減益・赤字への対応は不祥事発生時と同様である
どうぞ、ご一読下さい。
1 減益・赤字を嘆く必要はない
中小企業経営者にとって、会社を安定的に成長させ、持続可能性を高めていくことは極めて重要なことです。
とはいえ、会社を安定的に成長させ、持続可能性を高めることへのハードルは、年々高まっているように感じられます。
円安、物価高だけではなく、ハラスメント対策など求められるコンプライアンスへの対応も、中小企業であっても社会的に求められています。
言葉を換えていうならば、利益を安定的に出していくことが難しいこととも密接に関連しているようにも思えます。
そもそも、会社は営利目的なので、利益を上げることが会社の重要な使命の一つです。
一方、利益を追求しているからには、利益とリスクはコインの裏表の関係です。
利益を追求する中で、経営者が善意で会社を経営している限りにおいて、時に地雷を踏んでしまって、前期比減益となったり、赤字に転落することは十分に起こりうることです。
確かに、経営者にとって、減益や、ましてや赤字に転落することは我慢ならないことかもしれませんが、だからと言って、減益、赤字転落で必要以上に卑下をしたりする必要はないのです。
2 減益・赤字への対応は不祥事発生時と同様である
とはいえ、前期比減益・赤字転落の状況を放置することは、経営者としては許されません。
減益・赤字転落への会社としての対応は、会社の不祥事発生時ととても似ていると北出は考えています。
まず、ファーストステップは、減益・赤字となった原因を究明することです。
減益・赤字となった原因を究明した後に、改善策を具体化することがセカンドステップです。
原因究明の結果、不採算となっている事業や部門があって、テコ入れをすることが難しいとなれば、不採算事業や部門からの撤退やリストラを検討し、実行に移していくことが肝心です。
金融機関に対しても、「社長、赤字の原因はなんですか?」、「今後はどうやって改善を図っていかれるのですか?」を担当者からの矢継ぎ早の質問を浴びせられる前に、試算表、決算書を提示しながら、減益・赤字に原因を具体的に説明し、テコ入れ策をいつまでに実行していくかを明確にする必要があります。
金融機関担当者から、「社長、赤字の原因はなんですか?」、「今後はどうやって改善を図っていかれるのですか?」を尋ねられて、「え〜、一生懸命やってるんですけどね」みたいな眠たい対応をしていては、継続的な金融機関の支援を得ることは叶いません。
経営改善が必要な場合には、経営改善計画を策定して、月次で進捗状況をモニタリング(業況報告)を金融機関に行っていくことが必要です。
都合の悪いことこそ、先手先手の防衛策を練ることが経営者としての責務なのです。