【中小企業の銀行対策】経営者が徐々に現場から距離を置くべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、経営者が徐々に現場から距離を置くべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 現場一徹が全てではない
2 現場からマネジメントへの転換

どうぞ、ご一読下さい。


1 現場一徹が全てではない

中小企業経営者の中でも、「現場が全て」という方が少なからずいらっしゃいます。
確かに、現場に強くて、独立を果たした謂わば「叩き上げ」を自認する経営者は、現場を重視します。
確かに、現場は大切で、貴重な生の声を拾える場です。

製造業の場合、経営者がどうしても製造現場に立ちたくて仕方がありません。
卸売業の場合でも、経営者が自ら営業車に乗って、お客様を回りたくなります。
ところが、ある程度、会社の規模が大きくなってくると、そうは言ってられなくなります。

一つ一つの現場を重視するあまり、会社全体を俯瞰して見ることができなくなることが懸念されます。
例えば、前月の試算表の売上総利益率が前々月のそれよりも低下していた場合、その原因を掘り下げるのが経営者の仕事ですが、いざ、試算表を見て、「なんで、粗利の率が下がったんかな?」と要因が把握できずにいたりします。
それでは、金融機関担当者とコミュニケーションをとるという重要な経営者の役割を果たせなくなります。

また、必要以上に、経営者が現場に立ってしまうと、周囲の従業員が気を遣ってしまいます。
いくら経営者が「お前らの裁量でどんどん進めてくれ」といったところで、経営者がすぐそばにいては、一々お伺いを立ててしまいがちです。

このように、経営者たる者、現場一徹が全てではないのです。

【中小企業の銀行対策】経営者が徐々に現場から距離を置くべき理由とは?

2 現場からマネジメントへの転換

上記で申し上げました通り、経営者が必要以上に現場一徹にこだわってしまう弊害は大きく2つです。

1つ目が、経営者が会社全体を俯瞰することができなくなり、会社が抱えている課題を本質的に把握できなくなることです。
2つ目が、経営者に周囲の従業員が気を遣ってしまい、権限以上が行われず、結果として、幹部が育成できないことになることです。

これら2つの弊害は、特に、金融機関、中でもメインバンクとのコミュニケーションに重大な支障を起こしかねません。
課題のない会社なぞありえず、一見優良企業に見える会社でも、なんらから経営課題を抱えています。
経営課題を払拭して、会社としての持続可能性を高めることができなければ、会社は成長しません。
権限を委譲して、幹部を育成していかないと、事業承継もいつまで経っても実行することができません。

経営課題を払拭して、会社としての持続可能性を高めることと、円滑な事業承継は、取引金融機関が融資先の評価に大きな影響を与えます。
仮に、財務体質が脆弱であっても、経営者自身が脆弱な財務体質を認識し、財務体質を健全化させていくことを経営方針を打ち出し、事業承継への道筋をつけていれば、メインバンクも支援を継続しますし、サブ行以下もメインバンクに追随してくれます。

このように、経営者の経営姿勢が現場一徹から、しっかりとしたマネジメントへの転換は、次世代を担う会社作りに必要不可欠な者です。
中小企業経営者は、目先の経営課題にとらわれることなく、中長期的な視点から、会社全体を俯瞰するマネジメント能力を培う必要があるのです。

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