【中小企業の銀行対策】過度な金利交渉がネガティブに作用しかねない訳とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、過度な金利交渉がネガティブに作用しかねない訳について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 短プラ引き上げは避けようがない
2 金利で動く経営者は取引金融機関が引く

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 短プラ引き上げは避けようがない

日銀の政策金融決定会合で政策金利が0.750%から1.000%への引き上げが決定されてから1週間が経過しました。
これを受けて、先週から今週にかけて、金融機関各行は預金金利の引き上げと共に、短期プライムレートの引き上げを相次いで発表しました。
本日時点で、3メガバンクのうち、正式に短プラ引き上げを発表したのは、三菱UFJ銀行だけですが、SMBCもみずほも間もなく追随て短プラ引き上げを発表することでしょう。
関西地場の金融機関でも、りそな銀行とその傘下の関西みらい銀行、みなと銀行の他、京銀、滋賀、南都、池田泉州並びに紀陽の各地方銀行は引き上げ幅0.250%の横並びで短期プライムレートの引き上げを発表済みです。

短期の当貸にせよ、長期の証貸にせよ、地方銀行の中小企業向け融資は、自行短プラ連動となっているのが大半なので、引き上げ実施日以降の利払分から、「自動的に」適用金利が引き上げられます。
若手や中堅の金融機関役職員は、一昨年秋まで金利の引き上げ交渉の経験がほとんどなかったため、真面目な役職員ほど融資先経営者に申し訳ない気持ちを表明しますが、ほとんどの中小企業経営者は、分別があり、契約で決まっていることだからと特に文句をつけるわけではありません。

とはいえ、一昨年秋からの短プラ引き上げは、今回で通算4度目で、通算した短プラ引き上げ幅は年率0.950%に達します。
1億円の借入金平残に対して、追加の利払負担は年間950千円にも達するので、中小企業経営者からすれば、内心、心穏やかというわけにはいきません。

しかしながら、円安を少しでも抑制することと、物価高対策のための政策金利の引き上げが必要だと言われれば、中小企業経営者も黙らざるを得ません。
「金利引き上げは納得できへん」とどうしても我慢がならない中小企業経営者がいらっしゃるようであれば、既往の取引金融機関からの借入金実行時に実印を押印した金銭消費貸借契約証書を点検して、金利の決まり方の条項を確かめてみると良いかもしれません。

【中小企業の銀行対策】過度な金利交渉がネガティブに作用しかねない訳とは?

2 金利で動く経営者は取引金融機関が引く

確かに、バブル経済崩壊後、失われた30年の後にやってきた「金利のある世界」は、ゼロ金利、マイナス金利に慣れ切った中小企業経営者にとっては、なかなか厳しいものに見えてしまうのも致し方ありません。

しかしながら、政策金利の引き上げに伴う短期プライムレートの引き上げは、いわば「全国一律」のものです。
例えば、業況が悪化して信用格付が痛んだり、債務者区分が引き下げられたりして、適用金利が引き上げられる場合とは訳が違います。
そのような局面で、ハッタリだとしても、「他行はもっと安く金利を設定してくれるやけどね。御行ではなんとかならへんのか?」というのは、中小企業経営者としては少々いただけないものと言わざるを得ません。

また、もしかすると、この期に乗じて、「既存の取引行さんより当行は安く金利を設定させて頂きます。いっそ、他行さんの借入を当行で一本化させて頂きますよ。支店長も前向きでして、明日にでも支店長を連れてきます」と全額肩代わりを持ちかけてくるような金融機関は、むしろ危険です。
肩代わりをしてもらったまでは良かったけれど、後々、ろくにフォローもなく、「そういえば、担当者が転勤してから全く来なくなったなあ」なんてことにもなりかねません。
過度に、「金利、金利」と金利の引き下げを迫ると、既存の取引金融機関が引いてしまうおそれもなきにしもあらずなのです。

取引金融機関、中でもメインバンクとの取引関係はそう易々と解消できるものではありません。
もしかすると、過去、会社業績が傾きそうになった時でも、創業以来の取引歴のあるメインバンクがいち早く取り組みスタンスを強化して、支えてくれた実績もあったはずです。
中小企業経営者は、デフレが収束し、金利のある世界が到来していることを認識して、経済成長率を上回るような増収増益を実現していくことが何より大切なのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
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