【中小企業の生き残り策】いずれ取引先から要請されるであろう投資に備えておく必要性とは?
1 コロナ禍からアフターコロナ期は世の中の過渡期である
今日は、中小企業がいずれ取引先から要請されるであろう投資に備えておく必要性について考えます。
新型コロナウイルス感染拡大初期から丸々3年が経過した今、多くの中小企業経営者が、「世の中は変わったなあ・・・」と実感しているに違いありません。
営業は顔を出してナンボ、から、当たり前にオンライン商談が主流となり、大阪と東京を行き来する出張も、部長、課長、担当者の3名1組から最小限の人数での移動に変わりました。
コロナ前の常識は、現在の非常識となり、新たな価値観が世の中を席巻するようになりました。
コロナ禍からアフターコロナ期へ世の中が移行するのにあたって、来るべきものはなにかについて少し考えます。
アフターコロナ期のキーワードの一つが「非接触」です。
「感染対策」が何より最優先されるようになったこの先、様々な業種、業態で避けて通れなくなるのが「無人化の波」です。
折しも、人手不足が深刻となったことで、「非接触」と「無人化」はこれまでにないスピードで加速していく予感です。
「非接触」と「無人化」の大義の前では、コロナ前にタブー視されていた「人員削減」も聖域ではなくなりました。
地球環境への負荷低減も中小企業にとっても大きなテーマになってきます。
SDGsへの対応も待ったなしです。
このように、期せずして、コロナ禍からアフターコロナ期は、ビジネス環境を一変させるような勢いです。
2 取引先による選別が始まる
少なからぬ中小企業が大手企業から仕事を頂いています。
取引を頂いている大手企業から、感染対策や地球環境負荷低減への設備投資を求められたら、中小企業はむげに断るわけにはいきません。
中小企業経営者は、無人化や感染対策への投資を求められたら取り組むという消極的なスタンスから、自社が主体的に取り組んでいく必要があります。
過去に、投資を求められ、対応できずに、廃業や倒産に追い込まれた中小企業の例が、ガソリンスタンドです。
今や主流となったセルフ型ガソリンスタンドがまさにそれで、元売や商社系からセルフ型への投資を求められたものの、セルフ化への資金調達ができなかった2次店の多くが姿を消しました。
また、ISOも同様で、大手企業と取引のあった下請企業や出入りの運送業者は、軒並み品質と環境ISOの取得を求められました。
それと同じようなことが、ここ3年、5年の間で、様々な業種、業態で起こってくるのではないかと北出は考えています。
中小企業経営者は、感染対策やSDGsに主体的に取り組んでいくためにも、今からメインバンクと議論をし、来るべき必要となる設備投資への準備を進めておく必要があるのです。