【中小企業の銀行対策】取引する支店(営業店)を選択するポイントとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、中小企業が取引する支店(営業店)を選択するポイントについて考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 支店(営業店)の性格を知っておく
2 支店選びの原則は最寄りの支店を選択する

どうぞ、ご一読下さい。

1 支店(営業店)の性格を知っておく

よく聞かれる質問として「どこの銀行と取引すべきでしょうか?」というと同時に、「どの支店とお付き合いした方がいいですかね?」があります。
どの支店が良いのか、悪いのかの前に、金融機関の営業店について少し説明します。

営業店はその立地によって役割が違います。
金融機関によって少し違うかもしれませんが、ザクッというと、融資店舗、並進店舗そして預金店舗の3種類です。
融資店舗は、都市部中心部に構える営業店で、大阪で言えば、「梅田支店」とか、「難波支店」とかが該当します。
規模を問わず多くの会社が密集していて、融資を積極的に伸ばしていこうというのが「融資店舗」です。
並進店は、融資も預金も両方の積極的に推進しようという営業店です。
大阪市周辺の30〜50万人都市の駅前で、会社もそこそこあるけれど、駅前にマンションがドドーンとできているような立地です。
会社向けの事業資金の融資も、個人のリテール業務も両方伸ばそうという営業店です。
預金店舗は、主に、個人のお客様をターゲットとして、預金を獲得したり、投信の販売や住宅ローンの推進を主な業務とします。
大阪だと、千里中央とかがその代表的な立地に相当します。

会社を成長させるため、より良い条件で融資を受けようと、大都市の融資店舗を取引営業店とするのもわかるのですが、融資業務に慣れている反面、融資先の数が多く、保証協会の保証付のみの融資先だと他の融資先から埋もれてしまう懸念が残ります。
逆に、預金店舗でも、競合する融資先が少ないため、逆に面倒見が良くなる可能性もあります。

このように、取引する(している)営業店がどのような性格を帯びているかを融資を受けている中小企業経営者が理解しておくことは有益です。

2 支店選びの原則は最寄りの支店を選択する

先ほどから、営業店の性格の違いについてご説明しました。

その上で、「どの支店がいいのか?」について考えてみます。

その答えとしては、金融機関の「最寄りの営業店」を選択して下さい、です。
金融機関は、原則、営業店のエリアがきっちりと線引きしてあって、「越境」は原則見合わせています。
会社が大きくなり、本社が移転して従来からの営業店が遠くなってしまうケースでは、「移管」という手続きで営業店を変えることもできますが、北出の経験則上、特に創業時以来、ずっと取引を継続してきている金融機関、中でもメインバンクは、同じ営業店の方が継続性もありますし、阿吽の呼吸ができているので、何かと好都合です。

他方、「移管」をせず、遠方になってしまった営業店との取引は、ネットバンキング全盛とはいえ、「手貸の書き換えでハンコをお願いします」や「当貸の更新でサインをお願いします」となると、どうしても営業店に出向かねばならず、何かと管理が煩わしい点も見逃せません。

とはいえ、中小企業・小規模事業者の事業規模であれば、「支店長が連れやから」というご縁があったとしても、未来永劫、その方がその支店の支店長であり続けるわけではないので、「会社から最寄りの営業店を選択する」が原則です。

中小企業経営者は、取引する金融機関の最寄りの営業店を選択することによって、定期的なモニタリングを欠かすことなく、コミュニケーションを取り続けることが大切なのです。

【中小企業の銀行対策】総合振込は必ずメインバンクで行わなければならない理由とは?も併せてご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい。

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