【中小企業経営者の心得】苦手なフィールドで闘ってはいけない理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、最も得意なフィールドで会社を勝負しなければならない理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 あれもこれもでは会社のパフォーマンスは上がらない
2 強みを伸ばして勝負する方が会社の成長には手っ取り早い

どうぞご一読下さい。

1 あれもこれもでは会社のパフォーマンスは上がらない

北出の場合、中小企業のお手伝いをする中で、基本的なカウンターパーとは社長、もしくは会長(現会長のお父上)、副社長(現社長の子息)といった経営層の人たちです。
経営層の人の多くは、「事業家」なので、「あれもやりたい」、「次はこれ」と事業拡張に意欲的です。
経営者たるもの、事業拡張に意欲的でなければいけないと北出は考えていますし、事業拡張に意欲的だからこそ、一介のサラリーマンでは人生を終わらせるつもりもない人たちです。

他方、中小企業のほとんどの場合、大企業と違って、ヒト、モノ、カネが無尽蔵にあるわけではありません。
限られた経営資源をどのように効率的に運用するのかで、会社の成長スピードが変わってきます。

北出の知っている経営者の中で、「あれもやりたい」、「次はこれ」とばかり、思いつくままに手をつけるのですが、どうも、どれも中途半端に終わってしまっていて、本業へのシナジーも十分効いていないケースが見られます。
気持ちはわかるのですが、せっかく「やるぞ!」と思い立ったにもかかわらず、中途半端に終わってしまっていては、ヒト、モノ、カネ、いずれも非効率です。

中小企業経営者は、限られたヒト、モノ、カネをここぞというシーンで集中投入しパフォーマンスを上げることで、会社を成長させることができ、場合によっては大資本とガチで競合することができるのです。

2 強みを伸ばして勝負する方が会社の成長には手っ取り早い

会社を成長させる過程で、自社の内部要因の中で、強みを更に伸ばすことと同時に、弱みを克服することも重要です。
しかしながら、北出の今までの経験則の中で申し上げると、弱みを克服するのはなかなか容易なことではありません。
しかも、会社を成長させる、または経営改善を図るという中では、ある程度、短期的なタームで眼に見えるような成果を出す必要性に迫られます。

例えばの例ですが、本業のシナジーが見込めるという意味では、中古車販売業者による自動車保険の取扱が挙げられます。
確かに、修理や点検整備の中で、自動車保険と中古車販売業とは見た目には親和性が高く、シナジーが見込まれます。
他方、自動車保険は、金融商品です。
金融商品を販売するためには、金融商品を取り扱うために許認可が必要となりますし、なんといっても、極めて高いレベルのコンプライアンスが要求されます。
自動車保険というリスクの見込まれる金融商品を、社内で十分なノウハウが蓄積されず、社内体制が脆弱なままだと、中古車販売大手のような不祥事がどうしても発生してしまいます。
単純に言ってしまえば、素人集団が金融商品を販売すると、このような顛末に陥ってしまいます。
金融商品の販売が不適当となったからこそ、金融庁による臨時検査が実施されるようになるわけです。
銀行など真っ当な金融機関では金融庁による行政指導の威光を骨の髄から身に染みているので、投資信託や保険のような元本割れなどのリスクについて顧客への周知を徹底していて、そのために必要な教育訓練に力を注いでいるのです。

中古車販売業についてはさておき、このように、いかにシナジーが見込まれるといっても、苦手な分野で中小企業が勝負するのはリスクが大きくなってしまいます。
中小企業にとっては、強みを伸ばして成長させる方が手っ取り早いのです。

中小企業経営者は、今一度、自社の最も得意な分野がどこにあり、その強みをいかに発揮して、自社を成長軌道に乗せていくかを熟慮する必要があるのです。

【中小企業経営者の心得】オーナー経営者の経営判断の数が商いの大きさに比例する理由とは?も併せてご一読下さい。

公式サイト「次世代に残せる老舗企業の創造」もご覧下さい。

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