【中小企業の銀行対策】経営者が自分自身の言葉で会社方針を語ることの重要性とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、経営者が自分自身の言葉で会社方針を語ることの重要性について考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 自社の強みを認識できていないケースがある
2 経営者の自身の言葉は重たい
どうぞご一読下さい。
1 自社の強みを認識できていないケースがある
お客様の会社のお手伝いをさせて頂く初期段階で、必要に応じて、SWOT分析をすることがあります。
自社のSWOT分析をするのに当たって、いつも感じることが、「真面目な経営者ほど、自社の弱みをたくさん挙げる」ことです。
真面目な経営者ほど、謙虚ですし、例えば、経営改善局面にある時には、必要以上に自社を下にみる傾向がうかがえます。
他方、北出は、ある意味で、第三者的な立場なので、お話の中で、(おやっ、それってなかなかスゴいやんか!)と感じることがしばしばです。
それは、例えば、営業部門でトップセールスマンがいたり、製造現場で人知れず抜群の職人技術を持っていたり、生産設備が古くてもしっかりしていたり、間接部門がチームとして結束していたり、おカネ以外の「ヒト、モノ」のところで、優れたところがあるものです。
「ヒト、モノ」の意外な「すごいところ」は、自社では当たり前で済まされているケースが散見されます。
自社の強みが、経営者でさえ、明確に把握できずにいるのです。
ところが、北出の第三者としての見方をお話しすると、経営者は「ふーん、そんなもんかなあ」とかなり元気になってきます。
会社の経営改善を目指したり、ましてや、事業再生に取り組むとなると、経営者にはモノスゴイエネルギーが必要となります。
心理的なプレッシャーは相当なもので、雇われの方の想像できる範疇のものではありません。
経営者のちょっとした「ふーん、そんなもんかなあ」を引き出すことは、北出の大切な役割の一つだと考えています。
2 経営者の自身の言葉は重たい
会社の強みを経営者がしっかりと認識することで、例えば、経営改善計画書の中のアクションプラン(経営改善への具体的な施策、収益面での具体的な改善金額や率、実施時期)を作成するのですが、経営者が自社を客観的に見ることができると、アクションプランをよりスムースに作成することができます。
経営改善計画など、金融機関に提出する計画書は、作って終わりでは断じてダメです。
北出は、計画書を作ること自体、経営者が会社を客観的に見ることができるようになれば、そう難しいことでありません。
もっとも肝心なことは、計画を実行に移して、効果測定を行い、実績値が計画値を上回ればOKですが、実績値が下振れした場合、何が悪いのかを検証し、改善に繋げていくことです。
計画を策定し、効果測定を実施して、足らざるところを改善するというのは意外に大変なことです。
特に、計画の初期段階では、計画がこけてしまう可能性が高いので、計画がこけてしまって、経営者自身が「もうええわ」と投げてしまっては元も子もありません。
経営者が自身の言葉で計画を練り上げ、経営者の納得感がどうしても必要です。
金融機関としても、計画書が出て、経営者が補足説明をすると、それはとても「重たい」ものになってしまいます。
後になって、「いやいや、そんなつもりではなかったんですよ」は通らない話です。
経営コンサルタントとして、北出は、いかに経営者から自身の言葉を引っ張り出して、それをリアルにエクセルに落とし込むことを自身の重要な役割の一つだと考えています。
このように、中小企業、小規模事業者といっても、経営者の言葉は重い。
経営者は、金融機関向けだけにとどまらず、取引先、従業員など、全てのステークホールダーに会社方針を自身の言葉で語ることが必要なのです。