【中小企業の銀行対策】メインバンクへの隠し立ては絶対にNGであることとその唯一の例外とは？

2023年12月6日 2023年12月19日

nkitade6

今日は、中小企業の銀行対策として、メインバンクへの隠し立ては絶対にNGであることとその唯一の例外について考えます。

今日の論点は以下の２点。

１　メインバンクへの隠し立ては御法度である
 ２　メインバンクへの隠し立てNGの唯一の例外は・・・

どうぞ、ご一読下さい。

１　メインバンクへの隠し立ては御法度である

今日も昨日に引き続いて、中小企業とそのメインバンクとの関係について掘り下げます。
中小企業にとって、メインバンクは、資金調達の要です。
非上場中小企業にとっては、メインバンクとの信頼関係を維持することは、経営の根幹に関わる重要な事項です。

中小企業も、メインバンクも、お互い、ビジネスなので、信頼関係が最も大切であることは言うまでもありません。
なので、中小企業経営者としては、「当社は御行に対して、一切、隠し立ては致しておりません」と言うのが当然と言えば当然です。

中小企業にとって、メインバンクへの隠し立ての代表的存在が、「粉飾決算」です。
北出に言わせると、「粉飾決算」は詐欺であり、犯罪です。
絶対に許されないものだと信じています。
メインバンクは、決算書を元に与信判断を行っていますし、そもそも、メインバンクからすれば、「よもや、粉飾はしていない」と言う具合に、基本的に性善説の立場です。

債務者の中小企業経営者としては、メインバンクに決算書、試算表や資金繰り表といった定量的な事項だけではなく、会社の理念や経営方針をどんどん伝えていくべきですし、息子が修行先から戻ってきて会社に入社し、次世代後継者となるのであれば、いち早く、息子をメインバンク担当者に引き会わせるべきです。

北出の場合、中小企業の資金繰り・銀行対策コンサルタントとしてのスタンスは、お客様の中小企業に対してそのメインバンクには、全て洗いざらいフル開示を大原則としています。

２　メインバンクへの隠し立てNGの唯一の例外は・・・

と、ここまでお話ししておいてなんですが、北出の今までの経験則上、メインバンクへの隠し立てNGの唯一の例外をお話しします。

隠し立てNGの唯一の例外が、「オーナー経営者の健康問題」です。
これは非常に重たいお話しです。

創業者で、オーナー経営者は、即ち会社そのものと言っても過言ではありません。
ゼロから立ち上げ、デフレの中を闘い続けて、同業他社との競合に勝って、会社を守り通してきた人です。
サラリーマンの銀行員が簡単に太刀打ちできる相手ではありません。
なので、メインバンクの担当者は、創業者にして、オーナー経営者に対しては、一目置かずにはいられません。

そのような創業者にしてオーナー経営者が、例えば、持病を抱えているだとか、入院を余儀なくされるというようなことは、メインバンクにとっては憂慮すべき事態です。
仮に、息子が次世代経営者として会社に入社して、営業担当専務取締役になっていたとしても、中小企業の経営の根幹の一つであるメインバンクとの関係性を、直ちに、息子が同じように継承できる保証は何もありません。
実際、重い持病があったり、入院するような病気を抱えてしまうと、いかに創業者にしてオーナー経営者でも、モチベーションの低下は免れません。
今まで強気一辺倒だったオーナー経営者であっても、ついつい弱音を吐いてしまうかもしれません。
北出は、お客様の中小企業経営者には、「無理をしないでくださいよ。社長の替わりはいないのでお願いします」と折りに触れてお声がけしています。
なので、万が一にも、創業者にしてオーナー経営者が病気を患ってしまったとしても、メインバンクには、「俺は、いつも元気やし、まだまだやれるで。そうそう簡単に息子にバトンを渡すわけにはいかん」と強気のファイティングポーズを通し続けなければなりません。
そして、何よりも、病を一刻も早く克服しなければなりません。

もちろん、創業者にして、オーナー経営者は、サラリーマン以上に自身の健康には気を遣っています。
しかしながら、中小企業経営者は、なかなかの激務です。
会社を出ても、休日であっても、会社のことは頭から離れることはありません。
新型コロナウイルス感染症拡大のような想定外の事態が襲来すれば、資金繰りに頭を悩まされます。

改めていうまでもありませんが、健康はカネでは買えません。
中小企業経営者は、今一度、自身の健康チェックを怠ることなく、心身共に健康を維持し続けるための弛まぬ努力が必要なのです。