【中小企業の銀行対策】毎月実地棚卸を行うべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、毎月実地棚卸を行うべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 買い過ぎていないかをチェックする
2 決算期末だけの実地棚卸では原価管理が甘くなる

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 買い過ぎていないかをチェックする

弊所では、経営改善局面のお客様の中小企業経営者に対して、メインバンク以下、取引金融機関各行に月次報告(モニタリング)を行うことを原則としています。
モニタリングで金融機関訪問時(あるいは金融機関担当者にきてもらうこともある)には、もちろん、北出も同席させて頂いて、必要に応じて、業況や資金繰りについて経営者の補足をしています。

毎月モニタリングをやっていくと、より収益状況の変動を把握しやすくなります。
試算表をチェックし、資金繰り表から向こう1年先の資金繰りを読もうとすると、詰まるところ、原価管理をいかに厳格に行うかで、収益が上振れたり、逆に下振れたりすることを痛感しています。

製造業、運送業や建設業といった業種の製造原価、飲食店のFL(材料費Foodと人件費Labor)で月商1億円の場合、1%改善するだけで、100万円の収益改善を図ることができます。
製造原価に対する販管費に於いて、百万円単位のコストカットは、余程のざる状態の会社でない限り、実現できません。

これが、原価管理がより重要である理由です。

原価管理を突き詰めていくと、原材料の買い過ぎが問題となります。
経営サイドとしては、購買部や仕入部に対して、「仕入は最小限で。間違っても買い過ぎるなよ」と指示を出すわけですが、現場サイドとしては、欠品が生じると製造や建設現場の運用に支障が出かねないので、ついつい、「買い過ぎて」、「持ち過ぎる」傾向が強まります。
もちろん、現場サイドの事情がわからないわけではありませんが、製造業、建設業の場合、原材料の製造原価に占める割合が比較的高いので、買い過ぎることで、収益もさることながら、資金繰りに大きな影響を与えます。

買い過ぎることによる資金繰り余力の低下は経営サイドからすると看過できるものではありません。
購買部や仕入部といった部署に求められるのは、「欠品はしない」けれど、「ギリギリ原材料が足りる」絶妙な原材料の仕入具合なのです。

2 決算期末だけの実地棚卸では原価管理が甘くなる

実際、経営改善局面の中小企業経営者が、モニタリングを通じて、徐々に経営改善が進んでいることを実感するようになると、原価管理に従来にも増して強い関心を示すようになります。
実態の収益状況をより正確に把握して、問題点があるのであれば、一刻も早く問題点を把握し、改善するモチベーションが高まってきます。
経営者がこのようなマインドになること自体、経営改善は半分成功するようなものです。

原材料の買い過ぎが起こっていないかどうかを確認するために、最も効果的な方法が、「毎月実地棚卸をすること」です。
ほとんどの中小企業の場合、在庫の実地棚卸を行うのは決算期末のタイミングだけです。
決算期末の実地棚卸は、収益管理というよりは、税務申告をする目的という性格が強いというのが実際のところです。

しかしながら、本来、厳格に収益管理を行おうとするならば、実地棚卸を毎月行うことは極めて合理的ですし、絶対やるべきです。

当然のことながら、実地棚卸は、現場に負担をかけてしまいます。
製造業で、品目や品番が多く、少量多品種に対応している場合には、現場の負担はより重くなります。
「なんで、毎月棚卸しなんかせなあかんのや。めんどくさい」というのが現場の生の声です。

他方、毎月実地棚卸を行うことは、会社のためですし、ひいては、長い目で見れば、会社が経営改善局面を脱していくことで、従業員は皆今以上に安心して働き続けることができるわけなので、経営サイドも現場サイドも実地棚卸に関しては、本来的にはウィンウィンです。

毎月実地棚卸を行うことで、買い過ぎていた場合、仕入高が嵩むのと同時に月末の原材料、仕掛品の金額が増えてしまうことが明らかにすることができます。

たかが在庫管理、されど在庫管理、です。
在庫は、原材料であろうが、仕掛品であろうが、出荷寸前の製品であろうが、会社にとっては大切な大切な在庫です。
在庫はおカネと同じものです。

中小企業経営者は、現場サイドの負担の度合いに配慮しながらも、現場サイドの在庫がおカネと同じものであることと、買い過ぎが会社の資金繰りに悪影響を与えることを現場サイドに周知徹底して、収益改善を着実に実行していく必要があるのです。

 

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