【中小企業の銀行対策】決算期末の決算整理は厳格かつ正確に行うべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、決算期末の決算整理は厳格かつ正確に行うべき理由について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。

1 発生主義での計上を徹底する
2 イジったらバレる

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 発生主義での計上を徹底する

今日は5月中旬で、5月の月末まで残り10日です。

3月決算の中小企業の申告期限は今月末です。
会計事務所の全面的な協力から、試算表がガッツリ出来て、決算整理について、会計事務所から経営者に決算内容について説明がなされるタイミングです。

そこで、発生主義できっちりと決算整理をすると「社長、赤字になりますが、よろしいですか?」と関与税理士先生からきついお言葉が発せられることも、なきにしもあらずです。

そもそも論ですが、いくら非上場中小企業といっても、発生主義で売上と費用計上することが大大原則です。
そこで、例えば、3月発生の費用を計上せず、未払金(未払費用)にも計上しなければ、3月発生分の費用を翌期に繰り越すことによって、赤字決算を回避することができるかもしれません。
在庫を増やして、売上総利益率を盛れば、利益計上できるかもしれません。

確かに、「悪魔の囁き」です。
中小企業経営者として、メインバンクからは赤字は回避するように言われているし、どうすべきなのでしょうか?

2 イジったらバレる

在庫を膨らましたり、費用を未払にしたりして、決算書上、黒字にすることは厳に慎まなければならないことです。
こういってはなんですが、メインバンクの営業店担当者はスルーするかもしれませんが、本部の与信所管部署の調査役や審査役の目にはお見通しです。
「あ、さてはいじってあるな」。

いじって黒字にするくらいなら、イジらずに本当の姿を決算書でメインバンクに提出して、赤字の原因を明確にした上で、経営改善を行うためのアクションプランを作成し、適宜進捗状況をメインバンクにモニタリングとして報告していく方がずっと建設的ですし、メインバンクの心証も悪くはなりません。

6月や8月を決算期にしている中小建設業でも同じことです。
未成工事支出金を減らして、未成工事受入金を増やすのが中小建設業の粉飾の常套手段ですが、引当で短期の繋ぎ資金を調達していたら、資金繰り表と整合されたら、一発でイジったことが白日の元にさらされてしまいます。

未成工事支出金を盛っていたら、「翌期繰越工事ってちょこっとしかないのに、こんなに大きな金額が未成工事支出金になるわけない」であって、未成工事受入金を減らしていたら、「前受金、もっともらってるやろ」となってしまって、以降、工事引当の短期繋ぎ資金を出してもらえなくなります。

中小企業経営者は、「うちは非上場やから」と丼勘定をヨシとすることなく、金融機関から融資を受けている限り、厳格に会計を行い、決算書の信頼性を弛まぬ努力で引き上げていく必要があるのです。

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