【中小企業の銀行対策】返済用資金の資金移動を早めにやっておくべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、返済用資金の資金移動を早めにやっておくべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 当日入金は危ない
2 サブ行以下が返済用資金を心配している

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 当日入金は危ない

5月も下旬に差し掛かってきていて、週明け27日には25日期日の借入金の返済や諸経費の口座振替が控えています。
週明け27日は世間で大きなおカネが動く時です。

よく、クレジットカード利用分の決済や諸経費の口座振替に際して、「前日までにご入金下さい」という文言が書かれています。
実際には、借入金の返済、クレジットカードの決済や諸経費の口座振替は、決済日の未明に金融機関のシステムで決済されています。
なので、決済日には、皆さんが目覚めた時には、既に口座引き落としは完了している、ということです。

金融機関の場合、自行の借入金の返済に関しては、未明の決済が出来なければずっと入金待ちをしています。
当日、返済資金の入金があれば、その場で引き落としが完了します。

ところが、クレジットカードや諸経費の口座振替は、未明の決済一発限りの場合があるので、前日までに資金がないと、「残高不足」で口座振替不能という形で処理されてしまいます。
個人の場合、クレジットカードの決済が出来なければ、全銀協系やCIC等の個人信用情報センター(俗に「コシン」という)に自己登録されてしまうことがあるので、特に、経営者の場合、「コシン」が汚れてしまうことは極めてネガティブに働くので、特に、前日までに資金を用意しておくことが重要です。

返済の話に戻りますが、未明の決済が出来なければ、金融機関の営業店(支店等)では、延滞リストに上がってしまいます。
謂わば、「要注意リスト」のようなものです。
もちろん、当日入金があればその時点で返済は完了しますが、営業店の融資係からすると、「また、この会社、延滞リストに上がってるわ」と心証は悪くなるばかりです。
あくまでも心証の問題なのかもしれませんが、当日入金は危なくて、「前日まで入金」を徹底する必要があります。

2 サブ行以下が返済用資金を心配している

実際、メインバンクは、通常、他行よりも圧倒的に入出金が集中するため、ある程度、日々の資金の流れを把握していますが、サブ行以下はそうもいきません。
サブ行以下は、融資先のお客様からの入金がほとんどないため、多くの場合、月次の入出金は返済のための入金と返済だけになってしまいがちです。
サブ行以下の担当者には、本部の与信所管部署や融資役席から、「なんとか流動性をもっと置いてもらえるよう、交渉せよ」とプレッシャーがかかりますが、それでは、実態としては、返済日の前日に返済用資金がメインバンクから資金移動されてくるのが実態です。

サブ行以下の担当者は、ともすれば、「社長の奥さん、いつも経理を、間違いなくやってくれてるけど、今月もちゃんと資金移動してくれるやろうか?」と内心、ヒヤヒヤものです。
サブ行以下の担当者は、日々の入出金を把握する術がないため、実のところ、返済用資金を心配しているのです。

なので、メインバンクだけではなく、サブ行以下にも、資金繰り表を毎月提出し、「当社はしっかりと手元流動性を確保しているので、ご心配なく」とサブ行以下の担当者に安心感を与えてあげる必要があります。

今月も月末直近です。
中小企業経営者は、資金繰りを経理担当に任せっきりにすることなく、手元流動性の状況を自らの裁量で、しっかりと把握する必要があるのです。

 

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