【中小企業の銀行対策】メインバンク担当者に自社の業界慣習を教授してあげる重要性とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、メインバンク担当者に自社の業界慣習を教授してあげる重要性について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 銀行員は一般論しか知らない
2 業界慣習を共有して自社をより知ってもらう

どうぞ、ご一読下さい。

1 銀行員は一般論しか知らない

金融機関の役職員は、他の業界と比較すると、さすがにおカネを扱う仕事であるため、研修等教育プログラムは充実しています。
財務、法務、税務を中心に、研修だけではなく、試験もあることから、日常業務に加えて、銀行員は、勉強もしなければなりません。
こう言ってしまうと、銀行員はさぞかし、いろいろな業界のことをよく知っているだろう・・・と中小企業経営者には感じられるかもしれませんが、銀行員が身についている知識のほとんどが「一般論」です。
もちろん、一般論がなければ各論にはいけないので、一般論は非常に重要です。

一方、銀行員が相手にしている多くの中小企業は、それぞれ、業界の慣習に則って仕事をしています。
業界独自の商慣習や、業界用語などは、その業界に長くいなければ、よくわからないことばかりです。
特に、中小企業経営者は、日々、業界慣習に則ってルーティンワークに取り組んでいて、業界用語も当たり前に使いこなしています。

メガバンクの大阪や東京にある業界特化型の法人営業部門に長く勤務したり、本部の審査部や融資部等与信所管部門でその業界を専門に審査している調査役や審査役を除けば、ほとんどの銀行員は、特定の業界について格別の知識を持っていません。
もちろん、一般論をフル活用して、稟議書を書いているわけですが、一般論はあくまでも一般論でしかありません。

言い換えると、ほとんどの銀行員は、「広く、浅く」というのが実際のところなのです。

【中小企業の銀行対策】メインバンク担当者に自社の業界慣習を教授してあげる重要性とは?
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2 業界慣習を共有して自社をより知ってもらう

最近の銀行員の傾向ですが、他の業界の営業担当者もそうでしょうが、行動管理がかなり厳格になってきています。
昔は、外回りの銀行員が目立たない裏通りにある喫茶店で集まってダベっていたようなこともありましたが、最近では、そういう姿は街中でもほぼ見受けられません。
残業の規制も厳しいことから、最近の銀行員は時間が足りません。

このため、ともすれば、せっかく、メインバンクの担当者がある要件があって会社にやって来ても、要件が終わったらサッサと帰ろうとします。
「あっさりしててええわ」とか、「気、遣わんで済むから楽や」という声も出そうですが、せっかくの面談ですから、特に、メインバンクの担当者には、中小企業経営者の側から主体的に「ちょっと、うちの業界について話をしておきたいんやけど・・・」と切り出して、サッサと帰ろうとする担当者に業界慣習について話をしてあげると良いかもしれません。

まともな銀行員であれば、融資先のことをよく知ろうとするのが普通なので、「社長、せっかくなので、ちょっと勉強させて頂きます」と声を発してくれるに違いありません。
業界独特の商慣習や業界用語を教えてあげると、銀行員は、融資先の理解度を深めることができます。
融資の案件があって、担当者が役席や次席、部店長に報告を挙げる際であっても、業界慣習や業界用語について理解が深ければ、上司への説得力が増します。
稟議書の記載内容もおざなりな一般論ではなく、より具体的で、リアル感を増します。

メインバンク担当者に業界環境を教えてあげることで、メリットを享受できるのは、他でもなく、融資先である中小企業経営者の側です。

このように、メインバンク担当者に自社の業界慣習や業界用語をレクチャーしてあげることは、中小企業経営者にとっては極めて重要なことです。
中小企業経営者は、時間をケチることなく、メインバンクとの信頼関係を深めるため、メインバンク担当者に自社の業界慣習や業界用語を教授する努力を怠ってはならないのです。

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