【中小企業の銀行対策】メインバンクへの月次モニタリング(業況報告)の効果とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、メインバンクへの月次モニタリング(業況報告)の効果について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 月次モニタリングはメインバンクとの信頼構築への近道である
2 月次モニタリングは経営者にいい意味での緊張感を与える

どうぞ、ご一読下さい。


1 月次モニタリングはメインバンクとの信頼構築への近道である

弊所では、お客様の中小企業の財務状況に関わらず、基本的に経営者と北出が同行して、メインバンク他取引金融機関にお邪魔をして(金融機関担当者が来てくれるケースもある)、月次モニタリング(業況報告)を行なっています。

お客様の経営者のお手伝いをさせて頂く当初の段階で、「社長、毎月、各金融機関に業況報告に行きましょう」と申し上げると少なからぬ経営者の方が「毎月、報告に行く必要があるんかなあ?」と疑問を投げかけます。
そんな時には、「社長、北出に騙されたと思って、まずは毎月行ってみましょう」と経営者の方にお願いすると、基本的には、了承して下さいます。

毎月、金融機関に提出するものは、基本的には、試算表、資金繰り表です。
複数の部門や事業所がある場合には、部門別損益計算書を作成したり、建設業の場合には、資金繰り表とリンクした受注明細を持参します。
事前に提出物一式を揃えて、社長と一緒に銀行回りです。
金融機関担当者としても、担当する融資先をよく知ることができるため、月次モニタリングは真っ当な金融機関担当者であればウェルカムです。

業況報告といっても、毎月のことですし、社長も忙しい身なので、そうそう社長を拘束するわけにはいかないので、一行当たり30分程度の所要時間です。
最初は、多少時間がかかりますが、金融機関担当者と阿吽の呼吸になってくると、要領良く業況報告をこなすことができます。

毎月、業況報告をしていると、決して、いいお話ばかりではなく、ネガティブなこともありますが、例えば、季節資金や立替資金が必要な場合は、3、4ヶ月前から十分時間的な余裕を持って金融機関に資金の要請を打診することができます。

なんといっても、月次モニタリングを継続していくと、金融機関担当者と人間的な信頼関係を構築することができます。
利益がドバッと出ている試算表よりも、月次モニタリングこそが、金融機関との信頼関係構築の一番の近道であると痛感しています。

【中小企業の銀行対策】メインバンクへの月次モニタリング(業況報告)の効果とは?

2 月次モニタリングは経営者にいい意味での緊張感を与える

月次モニタリングがもたらす効果として、月次モニタリングが経営者にいい意味での緊張感を与えることが挙げられます。

例えば、月次モニタリングの中で、来月のモニタリングまでに金融機関に報告したり改善すべき事項が発生する場合、さすがに、経営者だけあって、金融機関との約束を違えるわけにはいかないので、実際に、改善すべき事項の改善に取り組みます。
経営改善局面の中小企業であれば、経営改善の進捗のスピードが上がるため、これはとても効果的です。
とかく、社内では経営者が社員から直言されることは稀であるため、外部からのある意味での圧力はいい意味で効果的です。
上場企業であれば、資金の出し手である株主が出席する株主総会の議長は社長の重要な職務です。
非上場中小企業であるならば、経営者自身が債権者である金融機関への説明責任を負っていると考えるのは自然なことです。

このように、月次モニタリングは取引金融機関との信頼関係構築に効果的であるだけではなく、経営者自身にもいい意味での緊張感を与えるため、良いことづくめです。

中小企業経営者は、自らの会社のため、経営者自身のため、取引金融機関への月次モニタリングを励行してみてはいかがでしょう。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい

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