【中小企業経営者の心得】B to Cにより丁寧な対応が必要となる理由とは?
今日は、中小企業経営者の心得として、B to Cにより丁寧な対応が必要となる理由について考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 カスハラはもはや流行語である
2 B to BからB to Cへの参入障壁は高い
どうぞ、ご一読下さい。
1 カスハラはもはや流行語である
世の中の中小企業には、様々なビジネスモデルがあり、無数の業種、業態が存在します。
北出は、銀行対策のコンサルタントとして仕事をさせてもらっていることもあり、実に多様な商いがあることを実感させられます。
無数の業種、業態の一つの切り口として、B to Bか、B to Cかの2種類の商いの形態で分けることができます。
いうまでもありませんが、B to Bは、事業所対事業所の商いで、B to は、事業所対一般消費者の商いと区別します。
B to Bも、B to Cもそれぞれの特徴がありますが、北出の肌感覚からすると、B to Cの方がB to Cよりも高いレベルでの丁寧な対応が求められるような気がしてなりません。
平たく言えば、B to Bの場合、トラブルになったとしても、お互い商いをしている立場からすると、そう無茶苦茶なことを要求することはありません。
どこかで、「いつかは我が身」という感覚があって、滅多に「こらあ! 社長だせや!!」なんて大ごとにはなりにくいのです。
ところが、B to Cはそうはいきません。
昔からクレーマーと呼ばれる人たちは存在してきましたし、もはや、「カスハラ」は流行語です。
お店の人に土下座を要求したりする動画がSNS上に拡散しますし、少なからぬ小売業や飲食業の従業員がカスハラの被害に遭遇しています。
B to Cの商いをする上で、「カスハラ」は大きな大きなリスクであることは間違いありません。
2 B to BからB to Cへの参入障壁は高い
「カスハラ」とまではいかないまでも、通常の取引においても、B to Cは何かと骨が折れることばかりです。
例えば、建築業を例にとってみると、一般施主からの元請業者であれば、施主さんのもとに何度も何度も足を運んで、打ち合わせを重ねなければなりません。
一般施主さんからすれば、特に新築の注文住宅の場合、一生に一度の最大の買い物になるため、より細部にまでこだわるのはよくわかるのですが、ファーストコンタクトから最終的に請負契約に至るまでは相当の時間が必要です。
工事の途中、「ちょっとここだけサービスでやってくれへんか」と言われてしまうと、むげに断ることもできません。
追加工事の代金をなかなかいただけないケースが少なくありません。
他方、公共工事のようなB to Cの現場であれば、一旦落札してしまえば、粛々と工事を進めていくだけで、必要以上に役所の顔色を伺う必要もありません。
瑕疵なく仕様書の通り工事を完了させれば、完成検査をパスすることができます。
言い方を変えれば、B to Cで鍛えられた会社であれば、B to Bへの参入は比較的容易ですが、B to BからB to Cへの参入障壁は極めて高いと言えます。
中小企業経営者は、自社の強みから、B to CかB to Bかを的確に選択して、会社を着実に成長させていく必要があるのです。