【中小企業の銀行対策】預貸率の高い金融機関を味方につけろ!

1 「預金量」と「融資残高」について、信用金庫を副題材として考える

このブログでも何度か取り上げていますが、北出がよく中小企業経営者から頂く質問の中で、「どの銀行がおすすめなん?」があります。
毎度お答えしているのが「社長の肌に合う金融機関を選ぶのがいいです」とお答えするのですが、それではあまりにも無責任なので、今日は、いくつかの金融機関の経営指標について、信用金庫を副題材として取り上げてみます。

中小企業・小規模事業者にとっては、信用金庫は貴重なビジネスパートナーです。
会員組織であり、地域密着を標榜していて、特に融資取引を行う場合は営業エリアが市町村単位で決められているため、大企業と比較して事業規模の小さな中小企業と信用金庫は親和性が高いといえます。
とはいえ、信用金庫は、全国津々浦々に存在し、地域地域の事情も相まって、規模は様々です。
信用金庫について、いくつかの経営指標を通して掘り下げてみます。

数字はちょっと古いのですが、2021年3月末時点での預金量をランキングで見てみると、
第1位 京都中央信用金庫(京都市下京区)4兆9,023億円
第2位 城南信用金庫(東京都品川区)3兆9,308億円
第3位 岡崎信用金庫(愛知県岡崎市)3兆4,065億円
第4位 埼玉縣信用金庫(埼玉県熊谷市)3兆1,066億円
第5位 多摩信用金庫(東京都立川市)3兆1,007億円
となっています。
因みに、北出経営事務所が拠点を置く大阪府八尾市に営業店を展開している信用金庫としては、大阪信用金庫が第6位2兆8,236億円、大阪シティ信用金庫が第11位2兆6,238億円、大阪厚生信用金庫が第26位1兆4,630億円となっています。
いずれも、地方銀行と肩を並べる大手信用金庫の範疇です。
次に、貸出金(融資残高)ランキングでは、
第1位 京都中央信用金庫(京都市下京区)3兆255億円
第2位 城南信用金庫(東京都品川区)2兆3,531億円
第3位 埼玉縣信用金庫(埼玉県熊谷市)1兆8,072億円
第4位 京都信用金庫(京都市下京区)1兆7,874億円
第5位 岡崎信用金庫(愛知県岡崎市)1兆7,130億円
となっていて、預金量ランキングとは少し顔ぶれが変わっていたりします。

2 「預貸率」という経営指標から金融機関を捉えてみる

繰り返しになりますが、信用金庫は、地域密着で、営業エリアが限定されています。
大阪府八尾市の信用金庫は、いかに素晴らしい技術を持ち、将来性を秘めている会社があっても、その会社が東京の会社であれば、融資取引はできません。
信用金庫は、地域の会社や個人から預かっている預金を原資に、資金需要のある会員企業や個人に融資をするため、「預貸率」という経営指標が会員の中小企業にとっては重要です。
預貸率は、「預貸率」=「融資残高」÷「預金量」×100(%)という簡単な数式で求めることができます。
預貸率が高ければ高いほど、地域のお金をより多く循環させているわけで、預貸率が高いことは「おカネの地産地消」がきっちりとできている証拠です。
地域内での「信用創造」のサイクルが回っているとも言えます。

因みに2021年3月期末時点での預金量1兆円以上の信用金庫の「預貸率」ランキングは、
第1位 西武信用金庫(東京都中野区) 70.9%
第2位 朝日信用金庫(東京都台東区) 70.0%
第3位 広島信用金庫(広島市中区) 65.0%
第4位 東京信用金庫(東京都豊島区) 64,4%
第5位 京都信用金庫(京都市下京区) 64.2%
となっていて、資金需要の高い都心部に立地する信用金庫が上位を占めています。
因みに、大阪府八尾市に営業店を展開している信用金庫としては、大阪信用金庫が第15位56,4%、大阪シティ信用金庫が第17位54.7%、大阪厚生信用金庫が第33位46.2%となっていて、預金量ランキングよりも低位置です。
だいしんも、大阪シティも、厚生も、まだまだ貸し増しできるはずなので、地元八尾市のためにも、信用金庫には積極的に資金需要を掘り起こしてくれることを期待しますし、北出も潜在的にポテンシャルのある会社の資金調達のお手伝いをどんどんさせて頂きたいと考えています。

中小企業経営者の皆さん、メインバンクの預金量、貸出金、預貸率を把握されていますか?
中小企業経営者は、金融機関の経営指標から、メインバンクがイケイケなのか、おっかなびっくりで保守的なのかを知っておく必要があるのです。

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