【中小企業経営者の心得】永遠にゴールデンウィーク休みとなる取引先に注意すべき理由とは?
1 ゴールデンウィークは債務整理の絶好のチャンスである
今日は、中小企業経営者の心得として、永遠にゴールデンウィーク休みとなる取引先に注意しなければならない理由について考えることにします。
新型コロナウイルスへの制限が本格的に解除され、感染症区分の2類から5類への変更が目前となる中、今年のゴールデンウィークは、どの観光地も混雑が予想されます。
北出が昨日夕刻に乗車した帰阪する長距離列車は窓際の席が売り切れていて、満席に近い状況でした。
世の中、いよいよゴールデンウィークに突入です。
中小企業でも、サービス業は繁忙期になりますが、製造業は長ければ9連休となリます。
世の中の多くの会社が休みとなるゴールデンウィークやお盆、年末年始は、事業継続が難しくなった会社が法的整理を中心とした債務整理に踏み切る絶好のチャンスです。
会社のエントランスや正門に会社が法的整理となる旨の張り紙が貼ってあっても、遠目にはゴールデンウィークの休業を告知するための張り紙にしか見えません。
債権者である金融機関も暦通りにお休みとなります。
他方、破産等、法的整理に強い弁護士先生にとっては、この時期はかきいれ時です。
お休みの最中でも、法的整理の代理人を受任した弁護士先生は、債権者への通知の準備で大忙しです。
このように、ゴールデンウィークは債務整理の絶好のチャンスなのです。
2 ゴールデンウィーク明けの郵便物、ファックスには要注意
とにもかくにも、せっかくのゴールデンウィークです。
普段、多忙を極める中小企業経営者にとっては、少しだけ気持ちが休まる期間です。
コロナの規制も無くなったこともあって、中小企業経営者も家族サービスに徹したいところです。
問題は、ゴールデンウィーク明けです。
中小企業経営者の意識の中で、(あそこはもしかすると危ないかも)と信用不安を感じる得意先があるはずです。
ゴールデンウィーク明けこそ、その信用不安が現実になってしまう懸念が拭えません。
ゴールデンウィーク明けの複合機の受信トレー、ポストの中の郵便物の中に、「当社は破産手続きの準備に入り、当職が一任されております」という具合の破産手続きの代理人からの通知書が紛れていないとも限りません。
ゴールデンウィーク明け早々に、「あちゃー、いかれてもた」と売掛金や受取手形が貸倒となってしまいます。
破産手続きとなれば、優先債権となる租税公課や給与債権が優先弁済されるため、信用取引の一般債権者への配当はほとんどのケースで望めません。
もちろん、今日の段階で、債権保全は望むべくもなく、中小企業経営者とすれば、「どの得意先も潰れませんように」と祈るしかありません。
中小企業経営者は、ゴールデンウィークや年末年始に貸し倒れを極力回避するため、全社を挙げて、平素から債権回収に注力する必要があるのです。