【中小企業経営者の心得】従業員が食べるために働くことから脱することの重要さとは?
1 社長一人だけでは闘えない
今日は、中小企業j経営者の心得として、従業員が食べるために働くことから脱することの重要さについて考えてみます。
会社が保有する資源は、「ヒト、モノ、カネ(プラス情報?)」と言われます。
残念ながら、中小企業の場合、大企業と違って、「ヒト、モノ、カネ(プラス情報?)はいずれも限りがあります。
普段、北出がお客様の中小企業jのお手伝いをさせて頂いている分野が、「「ヒト、モノ、カネ(プラス情報?)」のうち、モロに「カネ」の部分ですが、金融機関に対して提出する計画書や資金繰り表は、実は「カネ」以外の「ヒト」、「モノ」、「(プラス情報)」とが密接に関係していることを痛感させられます。
ベタに言えば、せっかく、金融機関から受けた融資の資金も、「ヒト」、「モノ」、「(プラス情報)」が相互に作用しないと、あっという間に資金が干上がってしまいます。
特に、アクションプランを作成する際には、「ヒト」、「モノ」、「(プラス情報)」をいかに有効に回すかが極めて重要です。
また、ごく一部のスモールビジネスを除けば、社長一人では何もできず、到底経営課題に真正面から立ち向かうことは困難です。
いくら、社長個人のスキルが高くても、経営手腕に優れていたとしても、残念ながら社長一人では闘えないのです。
2 食うために働く職場にイノベーションは起きない
「カネ」以外の「ヒト」、「モノ」、「(プラス情報)」の中で、最近思い知らされるのが、「ヒト」の重要さです。
アフターコロナで世の中が一気にガガっと動き始めた途端、一気に人件費の相場が上がりました。
サービス業だけに限らず、北出のお手伝いしている中小企業でも、人手不足は深刻です。
どの業種、業態でも、今日来てもらって即戦力になるような職場はそうそうあるものではないありません。
コンビニのように、極めてシステムが高度化されていたとしても、ちょっとした接客のスキルは一朝一夕では獲得できません。
また、残念なことに、経営改善が必要な中小企業の場合やモラル低下の著しい会社では、不正が横行したり、職場の規律が乱れています。
従業員が今働いている会社に不安や不満を持っていると、「今乗ってる船が沈みそうかもしれない」というネガティブな意識が先行したりします。
北出の過去の経験ですが、お客様の中小企業の営業担当者が営業車をパチンコ店に乗り付けてパチンコに興じていたり、就業時間中にハローワークで求人を探していたりという修羅場を目撃したことがあります。
会社と従業員は関係は「所詮、雇用契約(労働者側からすれば労働契約)でしょ」と割り切った考え方もありますが、経営改善が必要で会社を立て直さなければならない局面だからこそ、経営者と従業員の信頼関係が必要不可欠です。
モラルが低下し、職場の規律が乱れている会社では、往々にして研修や人材育成を怠っていて、PLの販管費を見ても、教育研修費の類の経費が一切計上されていません。
そのような職場で働く従業員は、「給料貰えばそれでええ」なのであって、「別に将来のことも考えてへんし、食べるために仕方なく働いているだけや」という傾向が色濃く見受けられます。
食うために働いている従業員がいる職場にはイノベーションは起きませんし、北出がいくら経営改善計画を策定しても、経営改善計画は絵に描いた餅になってしまうことを北出は経験則として感じています。
中小企業経営者は、「カネ」を有効に回して経営改善を推し進めるためにも、「食べるために働いている従業員」の意識改革が喫緊の経営課題なのです。