【中小企業経営者の心得】規律を重んじる会社であることの重要さとは?
今日は、中小企業経営者の心得として、規律を重んじる会社であることの重要さについて考えます。
今日の論点は2点。
1 一つの綻びが多くのミスを誘発する
2 儲かっていない会社は規律を重んじることはできない
どうぞご一読下さい。
1 一つの綻びが多くのミスを誘発する
会社にはそれぞれ「社風」が存在します。
社風は、中小オーナー企業の多くの場合には、オーナー社長のお人柄を反映することが多いようです。
類は友を呼ぶ、という側面もあるかもしれません。
社風が大人しくても、イケイケであっても、些細な一つの綻びが多くのミスを誘発することが散見されます。
製造業であれば、製造ラインで手を怪我する社員が出ると、次は指を落とす大怪我を伴う事故が発生します。
建設現場では、ちょっとした油断で足場から落下するような重大な労災事故につながったりします。
悲しいことに、そのような事故は続くことが多いように感じられます。
一つの綻びが多くのミスを誘発するというのは都市伝説ではありません。
なぜ、このようなミスの誘発が発生するのでしょうか?
次のチャプターで考えてみます。
2 儲かっていない会社は規律を重んじることはできない
現場のミスの誘発は、単に、当事者の凡ミスとか、不注意で済ませるべきではありません。
ISOの品質や環境の認証を受けている(かつて受けていた会社も含む)ような会社であれば、現場の作業についてマニュアルで明文化されているはずです。
視覚的にもよりわかりやすく、写真付きの作業手順書も整備されています。
明文化されていないにしても、暗黙の了解の中でルールが存在します。
そのルールに従っていれば、現場のミスは本来起きないはずです。
現場の皆が規律を守っていれば、重大なミスは防止できます。
しかしながら、これは北出が実感しているのが、「儲かっていない会社に限って、現場のミスが起こってしまう」ことです。
例えば、朝イチで銀行員が担当者だけではなく、上席を伴ってアポなしでやってきて、社長を会議室や応接室に連れ込んでしまったりすると、「おい、うちの会社、大丈夫なんかい?」と現場の皆さんは疑心暗鬼になって当たり前です。
銀行員が帰っていって、社長のご機嫌が斜めで、怖い顔をしながらイライラ電話でもかけ始めてしまうと、その日のランチタイムから休憩室で転職雑誌の回し読みが始まります。
賢いネズミほど、船が沈み始めると、逃げ足が早いのの同じで、優秀な社員から会社に見切りをつけて会社を離れていきます。
そのような状況となってしまえば、社員は皆、出勤しても心ここにあらずで、ルールも規律も守られず、結果として重大な事故を誘発します。
ラグビーの試合でも同じことで、チームが劣勢になると、我慢できずに規律が守られず、ペナルティーを犯してしまい、余計な失点をしてしまいます。
中小企業経営者は、従業員の安全を守るためにも、会社を儲かる体質にしていかねばなりません。
儲かる会社にすることこそが、会社を、従業員を、そしてオーナー一族を守ることにつながるのです。