【中小企業経営者の心得】外部環境の脅威には立ち向かってはいけない理由とは?

今日のお題は、中小企業経営者の心得として、外部環境の脅威には立ち向かってはいけない理由について考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 外部環境は自社でのコントロールは不能である
2 脅威には立ち向かうのではなく回避するに限る

どうぞご一読下さい。

1 外部環境は自社でのコントロールは不能である

会社の経営分析の手法として、SWOT分析が挙げられます。
SWOT
分析は、内部要因は「強み」と「弱み』、外部環境は「機会」と「脅威」の4分野です。
内部環境は、自社でコントロールができる要因です。
具体的には、自社の経営努力によって、強みは自社で更に伸ばすことができますし、弱みは克服することが可能です。
内部要因は、比較的自社でより認識しやすい要因です。

他方、外部要因は、自社の経営努力によってコントロールすることができません。
機会は謂わば「ラッキー」な要因で、「ラッキー」にはそのまま乗っかってしまえば良い話です。
厄介なのが、「脅威」です。
自社ではどうしようもない文字通り「脅威」です。
自社での経営努力では克服のしようもないのが脅威です。

中小企業経営者は、定期的にSWOT分析を回して、会社をより良い方向に導いていかねばなりません。
強みを更に伸ばし、弱みを克服、機会には乗じて、脅威は回避することを不断に見直しておく必要があります。

2 脅威には立ち向かうのではなく回避するに限る

SWOTの中で、最も厄介な存在が「脅威」です。
自社ではコントロール不能で、言ってしまえば災難のようなものです。

脅威の象徴的な存在が「自然災害」です。
例えば、飲食店で言えば、台風が襲来することが確実な場合、脅威を回避する最善の経営判断は「営業をやめておこう」です。
台風襲来の最中、店長が気合いを入れて「今日は夜営業で売上目標30万円を達成しよう!」とイキってみても、暴風の中、来店客は見込めそうにもありません。
売上の見込みが立たないのに、光熱費をかけて営業するのはどうみても採算割れです。
嵐が吹き荒れる中、従業員が出社を強行して、止まってしまった電車の中に取り残されたり、強風で吹き飛ばされて怪我でもしたら大ごとで、労災事故ものです。

中小企業にとって、深刻な脅威の一つが「メインバンクの経営危機」です。
金融機関が不良債権が重荷となると、融資を回収して総資産を圧縮することで自己資本比率の国内基準を死守しようと必死になります。
こうなれば、比較的健全な融資先からも融資を引き上げることにもなりかねず、中小企業にとって継続的な成長に必要不可欠な増加運転資金や設備資金の調達にも支障が出かねません。
場合によっては、メインバンクの経営状態によっては、メインバンクの変更も視野に入れておく必要があるかもしれません。

このように、中小企業にとって、外部要因の脅威は自社の経営努力ではどうしようもありません。
幸いにも、長期金利の緩やかな上昇局面においても、国内の金融機関は健全性が維持されていて、金融不安が聞かれることはありません。
しかしながら、中小企業にとってメインバンクからの資金調達は生命線なので、中小企業経営者は、メインバンクの経営状態を半期毎に開示されるディスクロージャー誌を参照して、メインバンクの経営状態をチェックしておく必要があるのです。

 

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