【中小建設業の銀行対策】(特に大阪で)建設ラッシュで大型工事受注のチャンスを活かすために絶対に必要なこととは?

今日は、中小建設業の銀行対策として、「特に大阪で」、建設ラッシュで大型工事受注のチャンスを活かすために絶対に必要なことについて考えます。

今日の論点は以下の2点。

1 万博前の大阪での空前の建設ラッシュ
2 大型受注獲得に絶対に外せない必要なこと

どうぞ、ご一読ください。

1 万博前の大阪での空前の建設ラッシュ

「万博のパビリオンの建築が予定より遅れている」。

関西のローカルニュースでは、かなりの頻度で報道されています。
着工の遅れの原因となっているのが、想定外の円安による材料と資材の単価高騰と、人手不足による入札不調などです。

確かに、万博関連もさることながら、コロナが概ね収束して、インバウンドが本格的に大阪に戻ってきたことで、ホテル不足が深刻です。
開発業者もインバウンド需要を逃すまいと、ホテルの建築ラッシュもなかなかのものです。
うめきたのプロジェクトを始め、万博前の大阪の建設業は、まるでバブル期並みの勢いです。

こうなってくると、大手や準大手だけにいい思いをさせていてはいけません。
中小建設業にも、過去最高の業績となる絶好のチャンス到来です。

他方、材料費の高騰と外注費の上昇によって、工事原価は上がる一方です。
いざ、受注!となった時には、厳格な原価管理に加えて、資金面での管理が必須です。

大型物件の場合、ちょっとしたことで材料費や外注費が増えてしまい、当初の実行予算をはるかに超えてしまって、大赤字に陥ってしまうリスクがあります。

このため、原価管理を現場監督に一任するのではなく、経営陣がしっかりと原価管理を徹底する必要があります。

資金面での管理はより重要なことなので、章を改めてお話をすることにします。

2 大型受注獲得に絶対に外せない必要なこと

中小建設業が、万博とそれらに付随する大阪での大型物件を受注する際に、重要なことが、これまでのルーティンよりも、より多額のお金が動くことです。

通常、元請にせよ、外注にせよ、着工初期段階で前受金や前渡金を受領して、残りは完工、引き渡し後に残額が支払われるケースが少なくありません。
一方、支払面では、材料費や外注費の支払いが先行していきます。
このため、着工後、工事が進捗していくにつれて、立替資金が随分な金額に達してしまいます。
普段から当座に4億も5億も平残があればさることながら、実務的には立替資金をメインバンクから短期資金を調達、最終の工事代金入金後速やかに完済というのが原則です。
このため、資金繰り表、受注明細並びに月次の支払明細をメインバンクに提示し続けなければなりません。

短期資金実行後、毎月、メインバンクに資金繰りの状況を報告することをメインバンクは求めます。
一番最悪なのが、原価管理が不十分で、当初の実行予算を上回る原価の支払いが出てしまったので、最終工事代金が入金されても、短期資金を返済できないケースです。
実行予算を上回る原価支払が出てしまうと、短期資金を返済すると「給与が払えない」とか最悪の場合「手形が落とせなくなる」状況が生まれてしまいかねません。

このような状況になってしまうと、メインバンクからは「約束違反」と怒りを買ってしまって、「短期資金はこれっきり」となってしまうと、以降、大型物件を受注できなくなってしまいます。

大型受注は、わずかな率の原価管理ミスがより多くのキャッシュアウトを招いてしまいます。
逆に言えば、大型受注をコンスタントに獲得している中堅以上の建設業者は、経理がしっかりと機能して、資金繰りを万全に管理している証左でもあります。

ゼロ金利解除が見えてきた今、金融機関としても、比較的金利を取れる中堅・中小建設業への取引深耕には積極的であるはずです。
ちゃんと資金管理をしていることを姿勢として見せれば、必要な短期資金の調達は難しくありません。

大型受注獲得に絶対に欠かせないことは、当初の実行予算を意地でも遂行することと、原価の支払い管理を徹底して、短期資金要請時にメインバンクに提出した資金繰り表の通りに、支払を回していく必要があるのです。

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建設業のキャッシュフローのイメージです
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