【中小企業経営者の心得】部門別損益を把握する

1 儲かっている部門とそうでない部門がある

中小企業でも、複数の事業を行っていたり、多店舗展開をしていたり、複数の営業所や工場を保有しています。
多くの中小企業では、大企業では当たり前の「人事異動」という文化がないため、ほとんどの社員、従業員は、長く同じ部門で、同じ仕事に従事することが多いようです。
そのため、部門そのものに文化が根付いていたり、部門が属人的になっていたりして、独自の仕事のやり方が脈々と続けられているケースが多く、ともすると、無駄や非効率が温存されていることがなきにしもあらずです。
自ずと、この部門は儲かっているけれど、あそこの部門は足を引っ張っているということが起こりがちです。
経営者は、直感的に、部門毎の特性や抱えているであろう問題点を認識していますが、いざ、改革をしようとなると、陰に陽に抵抗勢力が現れたりします。そもそも、人間は「変わること」に抵抗を感じるものなので、当たり前と言えば当たり前です。
部門別の特性や抱えているであろう問題点を洗い出すために、有効なのが「部門別の損益を把握する」ことです。

2 部門別損益を踏まえて何をするのか?

改革に取り組もうとした時に、最も有効なことが「改革が必要だというエヴィデンスを示すこと」です。
具体的には、部門長に、「あなたの部門は赤字である」という客観的な数字を示すことが効果的です。
部門別損益を弾くのは、会計事務所に協力してもらうのが手っ取り早いですが、納品書や請求書等帳票類は会社にあるわけなので、経理に一仕事してもらうことで自社で部門別損益を弾くこともそう難しいことではありません。
部門別損益を把握した上で、各部門長に働きかけるべきことは「部門の裁量で改善できることを明確にさせる」ことです。
具体的には、仕入や外注費、人件費といった変動費は金額が大きいため、ちょっとした改善で大きな収益改善効果が期待できます。
自ずと、部門長が取り組むべきKPIが決まります。
また固定費に関しても、従来の取引先だけではなく競合する先に相見積もりを取ることも有効です。部門別損益を把握することは、イマイチな部門のテコ入れのきっかけになることは間違いありません。

3 部門別損益は、経営者自身への処方箋

特に、経常損益でカツカツだったりましてや、赤字が出ている場合には、せっかくできた部門別損益をメインバンクを筆頭に金融機関に開示しましょう。
利益がカツカツだったり赤字であれば、その理由を特にメインバンクは把握したいので、部門別損益が提出されると、メインバンクは大歓迎で、金融機関の心証アップは間違いありません。
儲かっていない部門における改革は、会社の収益改善に直結するので、金融機関に対して経営改善の具体策をアクションプランとして明確にすることができます。
アクションプランを実行に移していくことで、収益改善が見えてきます。
部門別損益把握は会社にとって、良いことづくめです。
中小企業経営者の皆さん、部門別損益を把握されていないのであれば、早速部門別損益を作成してみませんか。
部門別損益は、金融機関向けはむしろ蛇足で、経営者自身への処方箋なのでありました。

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