【中小企業の銀行対策】部門別の損益をメインバンクにディスクローズする重要性とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、部門別の損益をメインバンクにディスクローズする重要性について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 部門別の損益に差が出るのは当然である
2 不採算部門を立て直すことが経営改善の早道である

どうぞ、ご一読下さい。

1 部門別の損益に差が出るのは当然である

中小企業といっても、複数の事業や部門を展開する会社は少なくありません。
例えば、総合建設業とは言わないまでも、土木部門と建築部門とが分かれていたり、取り扱う商品は同じであっても卸と小売を併営していたりします。

部門が違えば、損益構造が違っているのが自然です。
部門別の損益に差が出るのは当然のことなのです。

また、部門別の損益には、外部環境の影響を受けることもあります。
土木部門と建築部門が存在する場合、公共工事のウェイトが高い土木部門では、地元自治体の財政状況によって公共工事が増減することもありますし、一般住宅の建築部門では、住宅ローン金利上昇はアゲインストになります。

自社の経営努力ではどうにもならないのが、外部要因の脅威です。
台風がやってくるのが見え見えであれば、飲食業は、集客が見込めないことと従業員の安全確保のためにも、休業するのが妥当です。
外部要因の脅威には立ち向かっても無駄なので、避けるか、撤退するかを選択肢とするのが合理的なのです。

2 不採算部門を立て直すことが経営改善の早道である

新規にお客様のお手伝いをさせて頂くことになって、その会社が赤字や減収傾向にある場合、北出は、「社長、減収(あるいは赤字)の原因はどこにあると考えておられますか?」とわざとお聞きすることがあります。
減収(あるいは赤字)の原因を把握しておられる経営者は非常に優秀な方だと感じていますが、時折、「ん〜、そこがいまいちピンと来ないんさ」という経営者もおられます。

「ん〜、そこがいまいちピンと来ないんさ」の経営者の方は、感覚的には(これが問題なんや)と感じておられますが、残念ながら部門別の損益を把握されていないケースがほとんどです。
もちろん、特殊要因や季節要因があるため、一ヶ月の試算表だけで判断するのは早計ですが、部門別損益を毎月弾いていくと、部門別の損益状況をつぶさに把握することができます。

赤字を黒字化するのは、順調な部門を更に伸ばすことと不採算部門を立て直すことです。
北出の経験則上、順調な部門を更に伸ばすことはその部門に今以上の負荷をかけることになってしまいます。
他方、部門別損益を把握することによって赤字の原因を除去することで、不採算部門を立て直す方がより経営改善の早道です。

さらに、把握することができた部門別損益をメインバンクにもどんどんディスクローズ( 情報開示)するべきです。
会社側、経営者側が経営改善に前向きに取り組んでいることをメインバンクは好意的に受け止めてくれます。

原価を下げるため、新たな仕入先をビジネスマッチングで紹介してくれることも期待できますし、経営者側が主体的にメインバンクにビジネスマッチングを働きかけることが有効です。

中小企業経営者は、部門別、セグメント別の損益状況を把握することによって、業況が伸び悩んだり悪化する兆候を早期に見つけ出すことが必要です。
同時に、部門別、セグメント別の損益状況をメインバンクに主体的にディスクローズすることに取り組まなければならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

【中小企業の銀行対策】経常減益要因てんこ盛りの事態に備える方法とは?も併せてご一読下さい

【中小企業の銀行対策】経常減益要因てんこ盛りの事態に備える方法とは?
【中小企業の銀行対策】経常減益要因てんこ盛りの事態に備える方法とは?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA