【中小企業の銀行対策】月次モニタリングをルーティン化するメリットとは?

今日は、中小企業の銀行対策として、月次モニタリングをルーティン化するメリットについて考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 金融機関は月次モニタリングを歓迎してくれる
2 月次モニタリングを通じてPDCAを回していく

どうぞ、ご一読下さい。

1 金融機関は月次モニタリングを歓迎してくれる

一部の優良企業を除けば、多くの中小企業が、収益体質や財務状況に課題を抱えています。
課題がない中小企業なぞ、あり得ません。

仮に、リスケジュール中のような明確な経営改善局面にある場合だけではなく、一時的に赤字に陥っていたり、借入債務がやや多く、月次の返済負担が大きい会社は、珍しくありません。
そのような会社について、金融機関の行政庁は、月次モニタリング(定期的な業況報告)の実施を推奨しています。
しかしながら、月次モニタリングをメインバンク以下取引金融機関各行に行なっている中小企業は実は少数派です。

ともすれば、中小企業経営者からすると、金融機関はやや敷居が高いように感じられるかもしれませんが、金融機関と言っても、生身の人間が仕事を回しているわけですし、先ほど申し上げた通り、行政庁のご意向もあることから、金融機関しては、月次で業況報告にお邪魔する(あるいは担当者に来社してもらっても良い)ことは、完全にウェルカムです。
もしも、月次モニタリングが必要ないという金融機関があれば、即刻メインバンクから引きずり下ろすべきです。

月次モニタリングと言っても、構える必要はなく、金融機関に提出するものとしては、前月の試算表と資金繰り表(建設業であれば受注明細も)があれば十二分です。
金融機関に訪問する際には、担当者にアポイントメントをとっておくと、会議室や応接室を事前に押さえておいてくれるので、他の金融機関来店者の目にもつきにくいよう、金融機関担当者は配慮してくれます。
中小企業経営者としては、試算表に基づいて前月の業況と、今月以降、足元の業況推移を口頭で伝えます。

もちろん、月次モニタリングの中では、当たり前ですが、良い材料ばかりではなく、前月試算表上で赤字になっていたとしてもその要因をしっかりと中小企業経営者が把握をし、自らの言葉で金融機関担当者に伝えることが肝要です。
そして、悪い材料が出ている場合には、それを是正していくための改善策があれば、百点満点です。

月次モニタリングを始めて当初の段階では、面談時間が長くなりがちですが、月次モニタリングを数回重ねれれば、金融機関担当者も慣れてきて、徐々に阿吽の呼吸になってくると、一行当たり数十分で済むようになります。
メインバンクを含めて、3行にお邪魔しても、長めに見ても、半日はかかりません。

弊所のお客様で、月次モニタリングで社長と金融機関に同行する際は、北出が、必要に応じてフォローをしたり、金融機関担当者がわかりやすいような専門用語に翻訳したりすることで、より理解が深まります。
多忙な身の中小企業経営者ですが、一ヶ月の内、半日弱の時間で金融機関との信頼関係を深めることができれば、時間的コストとしては安いものなのです。

2 月次モニタリングを通じてPDCAを回していく

一瞬、敷居が高いように思える月次モニタリングですが、そのハードルは意外にも高くはありません。
ただし、継続していくことが重要なので、月次とはよく言ったもので、報告が終わり、そろそろ「今日はここまで」のタイミングで、「それでは、来月はいつにしましょうか?」と金融機関担当者と中小企業経営者とで次回期日を決めてしまうことが相当重要です。

もちろん、突発的な急ぎの仕事が入ったり、体調不良という事情が発生すれば、その都度、次回期日を変更すれば良いのですが、意外にも、例えば、3行の金融機関担当者、経営者の日程がバチッと合うタイミングがなかったりするので、日程調整に手間取ることがあります。

それは、とにかく、月次モニタリングを継続していくと、経営者の中で、改めて、定量的要素で課題となっていることが鮮明になってきます。
さらに、重要なことは、毎回、同じ課題が問題となってくると、経営者もプライドがあるので、「何とか改善しよう」というモチベーションが高まってきます。

月次モニタリングを通じて、経営者自身が経営課題をしっかりと整理することができるようになり、それを解決するために、具体的な行動を起こし、その効果を検証するため、試算表をより仔細に検証するようになります。
これが月次モニタリングがもたらす最も大きな効果で、月次モニタリングを通じて、自然とPDCAが回り始めるようになります。
月次モニタリングを継続することは、経営課題を洗い出し、経営課題に真摯に取り組むようになるというプラスの効果をもたらします。

中小企業経営者の皆さん、おカネを融資してもらいたくなった時だけ、金融機関のドアを叩いてはいませんか?
月次モニタリングこそが、中小企業と金融機関との距離を縮め、信頼関係を深めることができる最も有効なツールなのです。

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