【中小企業の銀行対策】令和6年度下半期スタートに合わせてモニタリングを始めるべき理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、令和6年度下半期スタートに合わせて、モニタリング(金融機関向け業況報告)を始めるべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 モニタリングとは何か
2 10月はモニタリングをスタートする絶好のタイミングである

どうぞ、ご一読下さい。


1 モニタリングとは何か

中小企業が金融機関から融資を受けている限り、金融機関の融資先への評価(自己査定等)から逃れることはできません。
金融機関は、融資先の評価のため、融資先の決算が閉まって決算申告期限が到来するタイミングで、決算書を徴求します。
また、折に触れて、試算表を入手して、融資先の業況に大きな変化がないか、チェックをします。

弊所では、お客様の中小企業経営者に対して、金融機関から言われる前に、試算表を毎月提出し、資金繰り表も添付するようにしています。
試算表や資金繰り表を期中に提出して、業況報告することを「モニタリング」と言います。
毎月、モニタリングを繰り返していると、金融機関担当者と融資先の中小企業経営者は阿吽の呼吸になってきます。
金融機関担当者も人間なので、定期的に顔を合わせて、会社の業況を報告すると、知らないうちに信頼関係が生まれてきます。

いざ、資金調達をする段になっても、滅多に顔を合わさなければ、金融機関担当者としても、ここ最近の融資先の状況把握に時間がかかります。
また、金融機関担当者としても、(カネが必要な時だけ連絡してきやがって!)と口には出さずとも、決して心証がよくはなりません。

モニタリングを繰り返していると、「どうやら3ヶ月後の月末には資金が必要になりそうだ」ということも金融機関担当者が把握することができ、店内協議から稟議手続きへと時間的余裕をしっかりと持つことができます。
このように、金融機関から融資を受けている中小企業にとって、モニタリングは非常に重要なものなのです。

【中小企業の銀行対策】令和6年度下半期スタートに合わせてモニタリングを始めるべき理由とは?

2 10月はモニタリングをスタートする絶好のタイミングである

折しも、今日は、令和6年10月1日。
令和6年度下半期のスタートの日です。
金融機関はどこも3月決算なので、令和6年度の折り返し地点です。

本日付での人事異動が発令されたり、数字(事実上の「ノルマ」)がリセットされるので、金融機関役職員にとっては、人心一新で、謂わば元日のようなものです。
金融機関役職員の中には「上半期しくじったから、下半期はなんとしてでも業績を上げてやる」とモチベーションを上げている人間がいるかもしれません。

このような半期スタートのタイミングで、「これから定期的に業況報告にお邪魔したいのですが」と金融機関担当者に電話を入れてアポ取りするだけで、まともな金融機関役職員は大いにウェルカムです。

金融機関と信頼関係をこれまで以上に強化したい、タイムリーに資金調達できるような関係を金融機関を結びたいと考える真面目な中小企業経営者にとっては、モニタリングをスタートさせる絶好のチャンスなのです。

為替相場が不安定な動きをする中で、原材料高の傾向はまだまだ続くことが予想されます。
最低賃金が引き上げられる中、人手不足の解消には程遠く、人件費も上昇傾向です。
短期金利が上昇し、支払利息の負担が重くなることも想定されます。
このように、中小企業を巡る外部環境は厳しい中、中小企業経営者が金融機関と信頼関係を構築することは喫緊の経営課題です。
中小企業経営者は、上半期スタートのこのタイミングに乗じて、金融機関へのモニタリングをスタートさせる必要があるのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい

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