【中小企業の銀行対策】経営改善計画は策定後が重要である理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、経営改善計画は策定後が重要である理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 経営改善計画は策定そのものがゴールではない
2 経営改善計画の実行とモニタリングこそが重要である

どうぞ、ご一読下さい。


1 経営改善計画は策定そのものがゴールではない

コロナ禍で傷んだ会社や、コロナ前から財務が脆弱であったり、リスケジュールが継続しているような中小企業では、収益を改善、実態ベースでの債務超過を解消し、リファイナンスを目指していくための経営改善計画の策定が喫緊の課題です。

確かに、ルーティンワークに忙殺されている中小企業経営者ですから、「今月末を乗り切るのが目の前のハードル」という経営者も少なからずいらっしゃいます。
もちろん、このような短期的な資金繰りを回す経営努力も重要ですが、特に、直系の親族に後継者がいるような会社であれば、いつまでもリスケジュール(条件変更)というわけにはいきません。
事業承継を受けるジュニアにとっても、親父の代にこさえた借入金があり、ましてやリスケジュールの状態のまま、事業承継を受けるというのは極めて酷なお話です。
リスケジュール状態では、設備資金等前向きな資金調達ができず、親父の代の敗戦処理を担うような形になってしまいます。

このため、現世代経営者が目の黒いうちに、リスケジュール状態を脱して、債務者区分を正常先に回帰させることが極めて重要なのです。
そのための道のりを金融機関等債権者に表明する場が、まさに経営改善計画の策定です。
つまり、経営改善計画の策定はそのものがゴールではなく、経営改善へのスタートラインにようやく立てるような状況なのです。

【中小企業の銀行対策】経営改善計画は策定後が重要である理由とは?

2 経営改善計画の実行とモニタリングこそが重要である

実際、実現可能性が高く、経営改善への道筋を明確にした立派な経営改善計画が策定できて、金融機関等債権者・関係機関から同意を得ることができたとします。
しかしながら、問題はここからです。

経営改善計画で明確化されたアクションプランに基づいて、経営改善施策を実行して行かなければなりません。
さらには、その進捗状況をモニタリング(債権者等に業況報告すること、原則月次)していくことがなんといっても重要です。
経営改善計画の計数計画に対して、実際の実績値が上振れれば、問題ありません。
しかしながら、特に計画を実行に移していく当初の段階では、計数計画に実績値が追いつかず、実績値が下振れてしまうことが多いのです。

この段階で重要なことは、実績値が下ぶれてしまっている原因を明確化し、修正を加える必要があることです。
先の大戦ではないけれど、「いくところまでいってまえ!」では取り返しが付かなくなることがまま起こりうるのです。

また、モニタリングを回して、下振れる要因を潰していくことで、計画の実効性の精度が上がっていくのです。

特に、経営改善局面にある中小企業経営者は、日々落ち着かない時間が続きますが、適度に抜きながら、しかし、経営改善計画に対する実績値の下振れ要因を着実に潰していって、経営改善を軌道に乗せていく必要があるのです。

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