【中小企業の銀行対策】業績悪化が進んでしまう根本的な原因とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、業績悪化が進んでしまう根本的な原因について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 売上至上主義を捨てる
2 経理や財務を軽視しない

どうぞ、ご一読下さい。


1 売上至上主義を捨てる

新型コロナウイルス感染症の影響が収束したものの、企業間物価の上昇が続き、人手不足と最低賃金引き上げによる人件費の増加が中小企業にとっては、深刻なネガティブな外部要因となっています。

このような局面では、経営者が業績悪化を十分把握することなく、資金繰り余力が低下することが懸念されます。
何故、業績悪化が進んでしまうのでしょうか?
業績悪化の根本的な原因について掘り下げてみます。

経営者は、とかく、売上が大好きです。
売上至上主義と言ってもいいかもしれません。

現に、ゼロから商いを立ち上げた創業者は、営業畑の方が多く、自身が優秀なトップセールスマンであったりしたので、余計、売上にこだわります。
営業畑の経営者は、売上高を自らが管理し、日次で管理をしているケースも少なくありません。

確かに、売上をしっかり立てることは大切で、仮に、経営改善に取り組む場合でも、売上高(トップライン)をどうやって確保して、引き上げていくのかについて深掘りをします。
売上が満足に立てられないと、物語は始まらないのは間違いないことです。

とはいえ、ライバル企業を追い落とすために、必要以上に安値で受注するケースはあり得ます。
ここは、ライバルにやられてはいけないと戦略的に安値で受注することは経営戦略上、不思議なことではありません。

しかしながら、いくら売上が立ったとしても、原価と経費に加えて、金融機関への元本返済を加味しなければ、返済のためにキャッシュが流出してしまい、資金繰りが厳しくなります。
2、3年毎に長期を返済した分を折り返して借り換えることが常態化してしまいます。
長期の折り返しが難しくなれば、リスケジュールに踏み切らざるを得なくなります。

これでは、借入金は一向に減らず、利払い負担が収益を圧迫します。
この夏以降、メガバンク3行を皮切りに、地方銀行各行も短プラを0.150%引き上げました。
「たかが、0.15%なんてしれてるやんか」という声もあるかもしれませんが、明らかに、金利は上昇局面に入りました。
この後も、利上げが緩やかながらも続いていくと考えるのが自然です。

営業外費用の支払利息が大きなコストとなって、中小企業の収益圧迫要因になる可能性は拭えないのです。

このような状況下では、中小企業経営者は、今一度、売上至上主義から脱却し、収益管理を徹底する必要があります。

【中小企業の銀行対策】業績悪化が進んでしまう根本的な原因とは?

2 経理や財務を軽視しない

売上至上主義から会社と経営者自身が脱却するために、具体的な解決策はどのようなものでしょうか?

売上に直結する部門や部署を経営者は強化しがちです。
製造業であれば、製造部や営業部門、建設業であれば工事部といった部門が売上に直結する部門ですが、一方で、経理や財務といった部門、部署は、経営者によっては軽視しがちです。
「経理や財務は、収益を産まない間接部門やから、最低限でいい」という感覚を持つ経営者が少なくありません。

ところが、経理や財務は、いわば会社の中枢部門です。
中小企業や小規模事業者であれば、経営者の奥様が経理担当専務取締役で経理周りをしっかりと押さえているケースの方が、資金面ではむしろ理想的です。

経理担当専務取締役の奥様が、「社長、こことここの先、入金遅れてるから、はよ、集金行ってこなあかんで」と経営者にガツンといってもらえる会社の方がうまく運ぶものです。
また、経理周りといえば、会計事務所との連携も必須です。
少なくとも、先月の試算表を当月20日に上げてもらえるような経理の体制づくりが急務です。

このように、中小企業経営者・小規模事業者事業主は、経理や財務を経営の戦略部門と位置付けて、軽視することは許されないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい

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