【中小企業の銀行対策】金融機関店舗統合でも、メインバンクとの関係を深める

1 金融機関の店舗統合の現状

ここ3、4年の間で、金融機関の経営統合が遅まきながら進んでいます。
経営統合といっても、従来の持株会社方式ではなく、合併となるケースが散見されるようになりました。
持株会社方式では、仮に2行が経営統合した場合、持株会社を連結の頂点として、銀行2行の合計3社が存在することになって、経営統合のシナジーが十分でないことがあり、2行を1行にする合併を選択するのは自然な流れです。
合併となると、2つの銀行の看板が一つに統一されるため、店舗の統合が一気に進められます。
駅前のA行X支店とB行Y支店が一つの建物に集約される「店舗内店舗」が取られますが、店舗の集約は合併行にとって大きなコストカットになります。
顧客とすれば、店舗内店舗であれば、支店名、預金種別と口座番号が変わらないので助かりますが、金融機関の営業店で働く人たちにとっては一大事です。
ちょっと前までライバル行の役職員と同じ屋根の下で仕事をすることになるので、心情的な問題も含めてギクシャクしない方が不自然です。
また、得意先課や渉外係は融資先が減るわけではないので人員削減の対象にはなりにくいのですが、部店長は店舗内店舗2店舗の長を兼任するのが普通なので、管理職にとっては「オレって、いつまで銀行にい続けられるのかなあ・・・」と差し迫った不安が頭をよぎります。
金融機関役職員にとって、金融機関の「合併」はとても対岸の火事で片付けることはできません。

2 顧客にとっての店舗集約の影響とは

金融機関の顧客、中でも融資先中小企業の目線から、店舗集約の影響はどのようなものになるでしょうか?
運よく、店舗内店舗の集約店舗が従来の取引営業店であれば、営業店までの距離は変わりませんが、下手をすれば、集約先が隣町なんてことにもなりかねません。
その象徴的な存在が愛知県にあるみずほ銀行岡崎支店です。
2020年10月より、同支店は同行名古屋駅前支店内に移転となりました。
岡崎市と名古屋市では、到底近所とは言えない距離感です。
これでは、得意先課の担当者も訪問頻度も落ちてしまうことが懸念されますし、融資先からしても「わざわざお邪魔する」位の感覚です。
もちろん、日々の入出金はネットバンキングで足りますし、弊所でも、お客様中小企業の金融機関営業店担当者とZoomで打ち合わせをしますが、やはり「Fave to Faceで打ち合わせ」のニーズは底堅いものがありますし、特に担当者交替で新しい担当者との初打ち合わせとなれば、「最初は顔は見ておきたい」というのが本音のところです。

このように、金融機関合併による店舗集約は少なからず、融資先中小企業に影響がありそうです。
また、合併でなくても、金融機関営業店の集約はこれから益々加速していくことが予想されます。
金融機関営業店の集約が進み、営業店が遠くなったとしても、担当者は融資先からすると貴重な応援団なので、中小企業経営者は、リアルとネットをうまく使い分けながら、信頼関係をより一層深めるべく、金融機関担当者との接触を密にする努力を怠ってはならないのです。

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