【中小企業経営者の心得】中小企業経営者の資質は「数字に強いこと」である
1 中小企業経営者は日々激務である
中小企業といっても会社は様々です。
北出の感覚的なものですが、中小企業経営者を見ていて「この人、激務やなあ・・・」と感じてしまうのが、年商1億超5億円以下の中小企業経営者です。
もちろん、業種、業態によって組織形態や人的資源は一様ではないので、到底一概には言えないのですが、年商1億円以下であれば、概ね経営者の目が会社の隅から隅まで目が届くので、組織というよりは個人商店に近くて、経営者自身が会社にグリップを効かせることができます。
また年商5億円を超えてくると、経営者とは別に部長さんのような幹部が育ってきていて、小規模ながらも組織がピラミッド化するので、経営者が「おい、部長、あの件、どうなっとんねん?」と無茶振りができます。
他方、年商1億超5億円以下だと、社内も社外も何かと「社長、お願いします」になってしまって、経営者の携帯が一日中鳴っているというのが一般的な傾向だと北出は感じています。
つまり、年商1億円超5億円以下の経営者が一番「激務やなあ・・・」と感じてしますのです。
またコロナ禍のご時世でもあり、激務に見合うだけの十分な役員報酬を得られていないケースも散見されます。
経営者、社長としての矜持がハードワークを支えている経営者も少なからずいらっしゃいます。
2 激務の中小企業経営者に求められる資質とは
このような激務の中小企業経営者にとって、必要な資質として北出が常々感じているのが「数字に強い」ことです。
北出の現場勘ですが、モノづくり(製造業)の経営者は、総じて「数字に強い」傾向があるようです。
常に、品質納期を遵守するのは当たり前、その上で「材料費、投入される労務費、外注費、製造経費」という原価を低減するというルーティンをこなしまくっているモノづくりの経営者が「数字に強い」ことは至極納得のいくところです。
一方で、数字に疎くて、まるで文学者のようなノリの中小企業経営者がいるのも北出の悲しいところです。
会社経営は基本的に「0 or 1」、会社として「やるか、やらないか」を決断するのが経営者の一番の勘所です。
文学のように0.3とか、0.7とかあり得ません。
文学を否定するわけではなく、会社経営に文学がそぐわないと北出は考えています。
もしも、経営者から0.3のような曖昧な指示を受けた部下はどのように行動すれば良いか、途方に暮れてしまします。
さらには、「きっと来年には好転する」みたいな占い師もびっくりするような根拠無き楽観論を展開する経営者は、たぶん、経営者に向いていません。
宝くじでも当たれば良いのですが、ま、当てようとして当たるものではありません。
なので、経営者が「やるか、やらないか」を会社の方針として決定するのに、数字に強いことが必須なのです。
このように、中小企業経営者として求められる資質は、間違いなく「数字に強い」ことです。
中小企業経営者は、決算書、試算表や資金繰り表を常に見返して、異常値が発生していないか、進捗度合いは順調か、数字にこだわりまくって、会社の舵取り役を担う必要があるのです。