【中小企業経営者の心得】経営課題の解決をスケジュール化する重要性とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、経営課題の解決をスケジュール化する重要性について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 解決すべき課題を具体化し抽出する
2 中長期のスパンで経営課題を解決する覚悟が必要である

どうぞご一読下さい。

1 解決すべき経営課題を具体化し抽出する

業歴の長い会社のお手伝いをさせていただく中で、北出が感じることが「長年の伝統とマンネリ化は表裏一体である」ことです。
もちろん、業歴が長いということは単純に素晴らしいことです。
世の中の流れが早く、成功体験が徐々に通じなくなっていることを考えると、ちょっとしたきっかけで会社が淘汰されかねません。
特に、新型コロナウイルス感染症拡大は、これまでの社会のありようや常識を覆しました。

業歴の長い会社が、更に、次世代に生き残り、発展していくためには、従来からの良からぬ慣習を打ち破る必要があります。
中小企業で、オーナー経営者が「未来志向で会社を変えなければならない」ことを認識するきっかけとなるのが「事業承継」が見えてくるタイミングです。

創業者で、現オーナー経営者が君臨している限り、そう簡単には会社が傾くことはないかもしれませんが、「事業を継いでくれる息子に苦労をさせるわけにはいかない」という想いが、会社をあるべき姿に変えていくことになります。

とはいえ、良い意味でも悪い意味でも、長い業歴の中で培われてきた会社独自のローカルルールを変えることは簡単ではありません。
まずは、オーナー経営者自身が第三者的な視点に立って、会社を広く俯瞰して、解決すべき課題を具体化して抽出することが会社をより良き方向に導くためのスタートラインです。

北出の場合、オーナー経営者から、「奇譚のないところで、うちの会社のおかしなところを指摘してくれ」とお願いされることが少なからずありますから、世間の常識から勘案して、「これは社長、冷静に考えると、やっぱしおかしいですよ」と一つ一つ、経営課題を抽出するようにしています。

2 中長期のスパンで経営課題を解決する覚悟が必要である

とはいうものの、抽出し、具体化した経営課題を一つ一つ、やっつけていくのは容易なことではありません。
収益改善もさることながら、財務体質の健全化となれば、1年2年で完結できるものではありません。
ましてや、人事に関わることはデリケートなので、一気に改革を断行するのも考えものです。
そもそも、会社の進路を変えようとするだけで、会社の中では不協和音が出てくるものと踏んでおかねばなりません。
特に、社歴の長い古参の社員や番頭格は、ともすれば「抵抗勢力」となって改革に立ちはだかる可能性も捨てきれません。
代が変わってしまって、縁の薄くなっている少数株主の排除にも時間がかかります。

比較的短期間で解決できる経営課題と、中長期的、場合によっては10年スパンで取り組む重たい課題も存在するはずです。

何より、個々の経営課題の解決をスケジュール化し、「いつまでに、これを必ず成し遂げる」ことを最優先する必要があります。

個々の経営課題の解決をスケジュール化し、それを着実に実現していくことは、経営改善計画のアクションプランの策定とその実行とほぼ同じです。
中小オーナー経営者は、臭いものに蓋をすることなく、不退転の決意で経営課題に立ち向かうべく、その解決をスケジュール化することが重要なのです。

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