【中小企業経営者の心得】事業承継が会社のウミを出し切る絶好のチャンスである理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、事業承継が会社のウミを出し切る絶好のチャンスである理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 事業承継は会社が良い状態のタイミングで行う
2 事業承継前に会社のウミを出し切るのが現世代経営者の努めである

どうぞ、ご一読下さい。

 

1 事業承継は会社が良い状態のタイミングで行う

我が国での高齢化の進行はそのスピードを加速させていますが、中小企業経営者の高齢化も見逃すことができません。
M&Aの件数は増加傾向とされますが、後継者のいない中小企業の廃業の数は益々増える一方です。

しかしながら、経営者の子息や子女が父親がオーナーを務める会社で働いていて、現世代経営者が、ゆくゆくは子息や子女に継がせるケースも少なからずあって、世間的には、「あの会社は、息子さんが会社に入っていて、ゆくゆく継ぐことになるんやな」というのは恵まれている会社だと言えます。

ところが、現世代経営者で、特に創業者であれば、会社自身が自らの分身と言ってもいい存在であって、事業承継への具体的なアクションを起こせないでいるケースも無きにしもあらずです。
現世代経営者は、健康上の不安を感じない限り、「わしはまだまだやれる」と経営者としての意欲が高いのは理解できるところです。

とはいえ、脳梗塞など兆候のない急性の病もありますし、交通事故に遭わない保証もありません。
事業承継の具体的なタイミングはとにかく、事業承継に向けて、準備を進めておくことは会社にとって重要なことです。

事業承継者が身内であればこそ、未来の経営者には、特におカネの苦労をさせたくないというのが、父親としての本音です。
このため、会社がしっかりと利益を出していて、内部留保も蓄積され安全性が高まっているなど、会社の状態が良いことが、事業承継のタイミングの条件です。
事業承継は、会社の状態が良く、ピークの状態にあることが絶対条件なのです。
少なくとも、もしも会社が、金融機関から条件変更(リスケジュール)を受けていれば、リファイナンスを実現させ、必要となる資金調達に支障がないようにしておくことが肝要なのです。

【中小企業経営者の心得】事業承継が会社のウミを出し切る絶好のチャンスである理由とは?

2 事業承継前に会社のウミを出し切るのが現世代経営者の努めである

いかに金融機関から見て優良先であったとしても、実際の会社の中身は、業歴が長い会社ほど意外なローカルルールが存在することがあります。
会社の常識が世間の非常識であることは珍しくないのです。
そのような会社独自の慣例は、格別の理由がないまま、前例踏襲されているケースがあります。

最悪の場合、会社が第三者の連帯保証人となっていたりすると、簿外債務が隠れていることさえあります。
取引先との長年の慣例的な独特の取引慣習があることも想定されます。

このようなウミは会社の中でタブー視され、放置されたままであることが珍しくないのです。

会社の中のタブーを温存したら、次世代経営者は将来、どこかのタイミングでその呪縛に囚われて、会社として合理的な行動が取れないことも危惧されます。

現世代経営者は、事業承継を絶好のチャンスと捉えて、会社の中のタブーを打ち破り、会社としてあるべき姿を取り戻した上で、次世代経営者に事業承継する必要があります。

中小企業経営者は、事業承継を会社のウミを出し切るのが自らの務めであることを認識して、円滑な事業承継に向けた準備を着実に進めていく必要があるのです。

公式サイト「子息・子女までの次世代に残せる中小企業の創造」もご一読下さい

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