【中小企業の銀行対策】クラウドファンディングの限界とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、クラウドファンディングの限界について考えます。
今日の論点は、以下の2点です。
1 クラウドファンディングは割高である
2 資金調達のメインストリームは金融機関である
どうぞ、ご一読下さい。
1 クラウドファンディングは割高である
世間ではクラウドファンディングが全盛です。
クラウドファンディングの登場によって、資金調達源が多様化したと見る向きもあるようです。
社会への貢献度が高かったり、特定のセグメントの一般個人から共感を得られるような事業にとっては、広く一般から資金調達すると言うのは合理的であるかもしれません。
ところが、実際のところ、クラウドファンディグによる資金調達を目指す会社の一部が、財務体質が悪化したり、リスケジュール中で、金融機関からの資金調達が難しくなっている場合、クラウドファンディグに頼るきらいがあることも否めません。
実際問題、クラウドファンディングでの資金調達はそう容易なものではありません。
クラウドファンディングの案件は乱立していて、よほど社会への貢献度が高くない限り、設定した目標通り、資金が集まるケースは多いないように見受けられます。
また、クラウドファンディングのおカネの出し手に渡す返礼品(リターンというそうです)の負担も少なくありませんし、クラウドファンディングのサイト運営者に支払う手数料もバカになりません。
返礼品と手数料の負担からすれば、金融機関からの資金調達と比較すると、相当程度、割高な資金調達であることは間違いなさそうです。
クラウドファンディングは決して割安な資金調達とはいえないものなのです。

2 資金調達のメインストリームは金融機関である
確かに、「銀行からカネ借りるなんて、古臭い。広く浅く、クラウドファンディングで資金調達したい」と考える経営者がいても不思議ではありません。
他方、メインバンクを筆頭に、金融機関は、融資先の財務内容を精査して、設備資金の可否を判断します。
事業自体にリスクが高過ぎたり、投資規模が大き過ぎるとなれば、メインバンク担当者は、「社長、この案件は見合わせた方がよろしいのでは」と進言してくれます。
一方、投資規模が適正で、現在の事業領域にシナジーが十分認められるとなれば、メインバンクは積極的に資金を支援してくれます。
しかも、設備資金であれば、返済期間は7年間、場合によっては10年間という長期の返済を提示してくれる可能性が高まります。
返済期間が7年、10年間ともなれば、減価償却相当額で返済原資を捻出することができます。
金利の上昇局面ではありますが、金融機関からの資金調達は相対的にリーズナブルです。
頭が硬いと言われるかもしれませんが、所詮、クラウドファンディングは補助的な資金調達手段に過ぎず、資金調達のメインストリームは、金融機関からの資金調達であることは間違いなさそうです。
中小企業経営者は、安易にクラウドファンディングに資金調達源を求めるのではなく、常日頃から、メインバンク以下取引金融機関各行にモニタリング(業況報告)を通じて、会社が抱えている課題を取引金融機関と共有して、必要な資金をタイムリーに調達できるよう、取引金融機関との信頼関係を構築する必要があるのです。
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。
