【中小企業の銀行対策】社長自宅の入担が資金調達の最終手段である理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、社長自宅の入担が資金調達の最終手段である理由である理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。
1 世の中の中小企業の資金調達は経営者保証ガイドラインがメインストリームである
2 社長自宅の入担は資金調達上、危機的状態である

中小企業経営者の皆様、どうぞ、ご一読下さい。

1 世の中の中小企業の資金調達は経営者保証ガイドラインがメインストリームである

中小企業でオーナー経営者、社長の中には、「会社とオレとは一心同体の関係で、金融機関から会社が資金調達するなら個人保証も自宅を担保に入れるのもどうってことはない」と考えている方がいるかもしれません。

社長個人が会社の金融債務に個人保証をすることにとどまらず、自宅を担保に入れるというのは、おそらく我が国独自の概念です。
確かに、個人保証があるからこそ、社長個人が金融機関に対しておいそれとは敵対的な対応を取ることはなく、借金をやたらと踏み倒すようなことがないよう、一定のモラルハザード効果が効いていることは否めません。
米国大統領のドナルド・J・トランプは、数回に渡って連邦破産法を適用して、自身の会社を破産させ、破産手続が完了するかしないかのタイミングで、新たな会社を立ち上げてきた経験があります。

我が国独自とも言える個人信用情報センターの存在も相まって、安易な破産等で会社が法的措置に移行することが抑制されてきたという点で、金利が上昇局面であったとしても、金融機関の事業性資金の貸し倒れリスクが低減され、借入の金利も抑制されてきた効果も無視できません。

とはいえ、世の中は、経営者保証ガイドラインがスタンダードです。
会社と個人をきっちり分別できていること、安定的な財務体質を維持し、今後も維持できる見込みがあること、加えて、3ヶ月毎の業況報告(モニタリング)を回すことによって、社長の個人保証を解除できる世の中です。
あるいは、会社を法的措置で破産手続移行やむなしとなっても、会社から社長個人に貸付金が流用されていない限り、華美でない自宅と当面の生活を維持するための現金は、破産手続上の破産配当の原資には該当しないというのも経営者保証ガイドラインが謳っています。

経営者保証ガイドラインがあるから会社を破綻させても良いという風潮は、厳に慎まなければならないものですが、経営者保証ガイドラインを正しく理解することによって、会社と社長個人を分別することの重要性を中小企業経営者に認識して頂きたいと北出は考えています。

【中小企業の銀行対策】社長自宅の入担が資金調達の最終手段である理由とは?

2 社長自宅の入担は資金調達上、危機的状態である

このように、オーナー経営で中小企業の資金調達のメインストリームは、経営者保証ガイドラインに基づくところとなっています。

こうした中、中小企業経営者が取引金融機関に融資の打診を行って、その返答として、取引金融機関担当者から「社長、追加の担保は頂けないでしょうか?」と応答されたら、これは極めて危機的状況です。
不動産の担保設定状況は、ネット経由で簡単に「全部事項証明書」を取得することができるので、金融機関は簡単に社長の自宅不動産の権利関係を把握することができます。

その上で、暗に(自宅を担保に入れてくれれば追加融資を考えてあげても良いです)というスタンスは極めて危ない状況にあります。

そもそも、追加の不動産担保を徴求すると言うのは、保全ありきの話です。
本来であれば、金融機関は融資の打診を受けたら、資金使徒(おカネの使い道)、返済原資の有無(返済してもらえるのか)が優先的に審査対象となります。
資金使徒が妥当で、かつ返済原資が確保できていて、その上で、保全(融資が焦げた時どうやって回収するか)に融資の可否の判断材料となるのが通常です。
その上、経営者保証ガイドラインが走っていることは取引金融機関担当者は百も承知です。

それらを踏まえて、「自宅を担保に出してくれませんか」と言うのは、極めて危険で、未来永劫、禍根を残すことになることは間違いありません。
このため、弊所がこのようなご相談を賜った場合には、社長に対して、「追加の融資の要請は取り下げて、リスケジュール(返済条件の緩和もしくは元本返済の一定期間止めること)を検討した方が良いかもしれません)とアドバイスするかもしれません。
社長の自宅を担保に出してしまうと、経営者保証ガイドラインがあれど、個人保証の解除には相当程度困難が立ちはだかってしまうことは間違いありません。

中小企業経営者は、自宅と家族を守ることを第一に考えて、間違っても、自宅不動産を取引金融機関に入担することは回避しなければならないのです。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ
資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へ

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