【中小企業の銀行対策】自社のトイレが「見られている」理由とは?

今日は、中小企業の銀行対策として、自社のトイレが「見られている」理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点です。

1 会社のトイレは、会社を写す鏡である
2 できる支店長は突然訪問する時はわざと中座してトイレを見にいく

どうぞご一読下さい。

1 会社のトイレは、会社を写す鏡である

どこの会社でも、従業員は一日8時間以上は働くわけなので、トイレを利用しない従業員はいません。
今時のトイレは、男性用、女性用が分かれているのは当たり前、最新式のウォシュレット付きのトイレを備えている会社も珍しくありません。
綺麗なトイレは、もはや福利厚生の一環といっても過言ではありません。

トイレで大切なのが「掃除」です。
雑居ビルの共用部分のトイレを利用している会社は、ビルの管理会社がトイレ掃除をしてくれますが、自社の社屋であれば、よほどの大企業でない限りトイレは従業員が皆で分担してトイレ掃除を行うのが普通です。

この「トイレ掃除」ですが、普通、従業員は皆、嫌がるのが自然です。
積極的に「はい、私がトイレ掃除やります!」と手を挙げる従業員は稀です。
このため、会社の雰囲気がギスギスしていたり、事勿れが蔓延っているような会社では、トイレ掃除はおざなりになってしまいます。
「こんなもんでいいやん。なんで俺ばっかりトイレ掃除せなあかんのや!」
こんな従業員ばかりでは、とてもトイレが綺麗に保たれません。

「割窓理論」ではないけれど、トイレ掃除が十分行き届いてないと、トイレを使う方も綺麗に使おうというモチベーションがなくなります。
かくて、会社の雰囲気がギスギスしていたり、事勿れが蔓延っている会社のトイレは、いくら最新式のトイレの設備があっても、トイレは荒れ果ててしまいます。
逆に、従業員の結束が強く士気の高い会社では、一見嫌な仕事でも、自然に従業員が皆でカバーする社風が根付いていて、そのような会社のトイレは仮に設備は古くても、一輪挿しのお花が飾ってあったりして、トイレでさえ利用する人をほっこりさせます。
北出の経験則からしても、経営改善の局面に陥る会社のトイレは総じて掃除が行き届いていないように感じています。
このように、会社のトイレは会社を写す鏡そのものなのです。

2 できる支店長は突然訪問する時はわざと中座してトイレを見にいく

企業に融資をする金融機関は、従来からの決算書、試算表や資金繰り表といった定量的要素に加えて、技術力、従業員の定着度合い、経営者の人柄といった決算書に現れない定性的要素を重視するようになっています。

特に、支店長等のデキる部店長は、新規融資先に対して、定量的要素だけではなく定性的要素を掘り下げるよう努力されています。
もちろん、新規融資を獲得してきた担当者の報告はしっかりと受け止めつつ、「この会社、ホンマに融資しても大丈夫な会社やろうか」と念押しするものです。
デキる部店長は、営業時間中の営業店のことは次席に任せておいて、積極的に融資先を訪問して、社長を捕まえて雑談の中から異変はないかどうか、探りをいれています。
特に新規融資先となれば、「社長、いてはりますか」と抜き打ちで突然訪問します。

このように、トイレの話をしてしまうと社長とすると「銀行員がやってくる時はトイレ掃除、しっかりやっとけよ」となってしまいますが、突然の抜き打ち訪問では事前準備ができません。
デキる部店長は、「社長、すんませんが、ちょっとトイレ、貸してもろてもいいですか?」としれ〜っと中座して、素知らぬふりしてトイレを見に行ったりします。
付け焼き刃のトイレ掃除では化けの皮が剥がれてしまいます。
トイレが汚い新規融資先となれば、部店長は担当者に、「おい、お前、どこに目付けとんや。あの会社、ホンマに大丈夫なんか?」とドヤされることになります。

たかがトイレ、されどトイレ
会社の社風をより良くするためにも、中小企業経営者は、まずはトイレ掃除を手始めに、会社の定性的要素の改善に弛まぬ努力を惜しんではならないのです。

【中小企業の銀行対策】決め手は経営者自身のお人柄である理由とは?も併せてご一読下さい。

公式サイト「次世代に残せる老舗企業の創造」もご覧下さい。

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