【中小企業経営者の心得】外部環境が不透明な今だから「成長」より「安定」を優先させるべき理由とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、外部環境が不透明な今だからこそ、「成長」より「安定」を優先させるべき理由について考えます。

今日の論点は、以下の2点。

1 外部環境の脅威が強すぎる
2 現預金を手厚く確保しておく

どうぞご一読下さい。

1 外部環境の脅威が強すぎる

4年振りに、規制なき夏がやってきました。
お盆休みが台風にしてやられたのは想定外でしたが、多くの人々が海に、山に繰り出して、一定の経済効果を創出することができたはずです。
インバウンド需要も大阪では相当に貢献しています。
とはいえ、コロナ前には想定されていなかった外部要因の脅威が中小企業に影を落としています。

原材料高、原油の先高感、人手不足で、原材料費も労務費も外注費もまだまだ上がっていく予感が拭えません。
インバウンドを含めた需要増によってトップラインは上昇しますが、原価アップは売上の上昇を超えています。
コロナ前との比較では、多くの中小企業が増収であるにもかかわらず、減益を余儀なくされています。
人手不足がより深刻化して、営業時間の短縮に踏み切らざるを得ない飲食業も続出です。

コロナ前には想像もしていなかったような外部環境の脅威が、猛威を奮っています。

本来であれば、需要増に対応すべく、設備投資を積極的に行って、業容拡大を図りたいところです。
需要増に伴う現預金の増加分を設備投資に振り向けて、次の成長に向けた投資に振り向けるべきすが、これだけ外部環境が厳しさを増すと、製造業だろうがサービス業だろうが、設備投資には尻込みしてしまいます。
悔しいところですが、「コロナ前からずっと我慢ばっかりで、いつまで我慢せなあかんのや!」と経営者の声が聞こえてきそうですが、リスクテイクは最小限度に止めるべきで、ここはぐっと我慢の局面です。

2 現預金を手厚く確保しておく

このように、外部環境が厳しい中では、中小企業経営者が志向すべき方向性が「リスクテイク」より「安全性重視」です。
安全性重視となれば、現預金をより多めに保有したいというのが経営者の本音です。
とはいえ、事業規模が限られた中小企業が保有できる現預金は無尽蔵であるわけはないので、保険で備えるリスクと線引きをする必要がありますが、運転資金の借入金を増やしてでも、現預金を持っておくのが現状ではより理想的な経営方針です。

幸いにも、非上場の中小企業でオーナー経営であれば、株主から現預金を次の成長につながるような投資に回すように要求されることもありません。

もちろん、このようなタイトな状況が永遠に続くわけはないので、企業間の物価動向を見極めた上で、然るべき攻めの経営に転じる時に備えて、今は現預金を手厚く保有しておくのが無難な会社経営と言えそうです。

さらに、金融機関の目線からしても、キャッシュリッチな融資先には対しては「この会社は堅実な会社なので、しっかりと支援していこう」というポジティブな印象を持たれることも、対金融機関には好材料です。

融資を受けている中小企業経営者はは、メインバンクをはじめとした各金融機関に常に安心感を与え続けることが大切であることを念頭に置いておく必要があるのです。

【中小企業経営者の心得】広告宣伝費が毒饅頭的コストである理由とは?も併せてご一読下さい。

資金繰りや銀行取引に不安を感じている経営者の皆様へもご覧下さい。

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