【中小企業経営者の心得】「紹介営業」の功と罪とは?

今日は、中小企業経営者の心得として、「紹介営業」の功と罪について考えてみることにします。

今日の論点は以下の2点。

1 確かに「紹介営業」は新規開拓に即効性がある
2 断りきれず禍根を残すこともある

どうぞご一読下さい。

1 確かに「紹介営業」は新規開拓に即効性がある

業種、業態を問わず、経営者も営業担当も、新規営業の必要性は痛感しながらも、なかなか思う通りに新規開拓が進まないというのが本音のところです。
売上高を着実に伸ばしていくためには、新規顧客を開拓し、気に入っていただいて、定期的に受注に繋げていくことが必要なのはいうまでもありません。

新規開拓を進めようとして、即効性が認められるのが「紹介営業」です。
社長の知り合いの知り合いといった間柄だと、中に入ってくださる人への配慮もあって、売る側も買う側もそうそう酷いことはできません。
特に、生命保険の営業のようなGNP(義理、人情、プレゼント)が効くような業態だと、特に、紹介営業は有効で、即効性もあって手っ取り早いです。

普段から誠実に、真面目に商売をしていればいるほど、紹介営業がされやすくなるのは事実です。
当たり前ですが、平素から、誠実に、真面目に商売に取り組むことの重要性を感じます。

その点、金融機関、中でもメインバンクからのビジネスマッチングの提案は精度が高いといえます。
少なくとも、メインバンクの担当者は、会社業績や得意先、仕入先(決算書の勘定科目明細ベースですが)を把握しているので、かなりのところでピンポイントでマッチングできます。
「銀行からの紹介」というだけで、安心感が違います。

一方で、話題となっている中古車大手のような一旦馬力の営業スタイルでは、紹介する側も、怖くて、とても知り合いに紹介することはできません。

北出も、お客様をじゃんじゃん紹介してもらえるようにならなければいけないと常日頃から感じているところです。
改めて感じるのは、「紹介営業」は、新規開拓には必要不可欠なものです。

2 断りきれず禍根を残すこともある

他方、生命保険の販売ようなある意味単発の仕事ならとにかく、製造業や建設業といった継続・反復する商いの場合には、「紹介営業」が100%安全とは言い切れません。
なぜならば、紹介してくれる間に入ってくれる人が、その業界の商慣習や商いの仕組みについて、熟知していない場合、「良かれ」と思って紹介してくれているにも関わらず、紹介を受けた売る側、買う側は「あれれ、そんなはずやなかったのに・・・」というケースが無きにしもあらずです。

例えば、製造業の場合、仕事を受けたはいいは、親会社や大手が求められる技術水準を満たしていなかったりして、後々、工場監査を受けた途端、「御社に仕事を出すわけにはいかなくなりました」となったりします。
建設業でも、どう見てもこの原価では利益が出ないだろうという仕事を、紹介してくださった方を慮って、無理やりに受けてしまって、工期が想定以上に長期化したりして、工事粗利益がほとんど取れなかった、というようなことも想定されます。
「紹介営業」は、ある程度の業界について熟知している方から受けることが必要なのかもしれません。

確かに、それぞれの業界や業態で独特に商慣習があったりすると、紹介者は悪気はないのに、お互いに嫌な思いをして、結果的に禍根を残してしまうこともあり得るのです。

中小企業経営者は、「紹介営業」を頂けるよう、日々精進する一方で、「紹介営業」がはらんでいるリスクも認識しつつ、「紹介営業」による新規開拓を進めていくことが必要なのです。

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