【中小企業の銀行対策】今年の年末資金の調達を急がなければならない理由とは?
今日は、中小企業の銀行対策として、今年の年末資金の調達を急がなければならない理由について考えます。
今日の論点は以下の2点。
1 企業間物価高によって中小企業でも年末の資金需要は旺盛である
2 伴走型資金で保証協会への申込み殺到は避けられない
どうぞ、ご一読下さい。
1 企業間物価高によって中小企業でも年末の資金需要は旺盛である
激動の2023年も残り50日を切りました。
そろそろ、今年もカウントダウン。
北出も、だんだん、年月の経過が早く感じられるような気がします。
そんな年末近しの今、そろそろ、中小企業経営者の頭の中には、「年末の資金手当てをしとかなあかんな」と思い始めているタイミングです。
業種にもよりますが、食品メーカーなどは年末年始のかきいれ時に備えて、材料仕入を例月よりも増やして、お客様の需要に応えなければなりません。
製造業は、出荷までのリード期間を見据えて、仕入先への発注準備に入るタイミングです。
そんな2023年の年末ですが、なんといっても今年の中小企業にとっての収益圧迫要因が、企業間物価の上昇です。
建設資材然り、業務用食材然り、金属関連然り、円安の影響は甚大で、何から何まで、値上げラッシュで、直近の円安の更なる進行によって、年明け以降も原材料高の傾向はますます強くなる気配です。
何から何まで値上がりしていることから、普通に考えると、年末の資金需要は、これまでの年末よりも大きくなることが容易に予想されます。
お客様への供給責任をしっかりと果たすためにも、年末の資金のため、今の段階から、メインバンクに打診する必要があります。
会計事務所から直近の試算表を入手、年末資金を調達することで、年明け以降夏くらいまでは資金がしっかり回るような資金繰り表を作成し、試算表、資金繰り表(建設業であれば受注明細)をセットで提出するとメインバンクもスムースに対応することができます。
今年の年末資金需要は、全体として、件数も金額も増加することは間違いありません。
2 伴走型資金で保証協会への申込み殺到は避けられない
多くの中小企業がコロナ資金を調達して、3年余りが経過しました。
中小サービス業を除いた比較的コロナの影響が軽微で済んだ中小企業でも、企業間物価高の影響を受けて、仕入資金をしっかりと調達しておきたいというのが中小企業経営者の本音です。
幸いなことに、コロナ資金の代替の制度融資である伴走型資金で、コロナ資金の借換が可能です。
期間10年の長期安定資金を調達できるチャンスです。
他方、伴走型資金は、来年3月で制度が終わってしまうことが予想されるため、中小企業経営者が、伴走型資金での資金調達は「今でしょ」となるのが普通で、金融機関としても積極的に取り組みたい資金です。
こうなると、年末にかけて伴走型資金への信用保証協会への申込みが殺到することが想定されます。
信用保証協会も順番に審査していくので、平時よりも審査期間がより長くなることが懸念されます。
資金の申込みが殺到するのは、日本政策金融公庫でも同様です。
「今年の年末までに資金調達をしておきたい」と考える中小企業経営者は、信用保証協会への申込みが殺到することを見越して、一日でも早く、メインバンクと日本政策金融公庫に資金の打診を行う必要があるのです。